貿易赤字国から経常赤字国になる可能性も出てきた日本で、スパイラル的な円安の懸念がくすぶる。 ドル・円相場は2002年以来約20年ぶりの円安・ドル高水準となっている。 しかし、それは名目上の話。インフレ率の差を勘案し、かつ広範な日本の貿易相手国の通貨とのレートも考慮した、円の全体的な価値を示す実質実効レートで見ると、円は既に1971年以来、約50年ぶりの水準まで下落している(図1)。 円の弱さ、つまり円という通貨の購買力の低下は最近始まったことではなく、既にここ数年、長期的な現象として進行している。円が対ドルでは20年ぶりの安値なのに、実質実効レートでは50年ぶりの円安となっている背景の表面的な説明は簡単だ。貿易相手国の物価が上昇しているのに、円相場がそれを調整しなくなっているからだ。 例えば、米国の物価が日本の物価より大きく上昇する中、ドル・円相場が全く変わらなければ、米国から見た日本の物
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