「売家と唐様で書く三代目」–。この諺を地でいったのが衣服用、防虫剤「ミセスロイド」で知られる日用品メーカー白元(東京・台東区)の鎌田真社長(47)である。真氏は創業者・鎌田泉氏の孫にあたるが、今回、粉飾決算が発覚して老舗企業を経営破綻させた。白元は5月29日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。負債総額は255億円(14年3月31日時点)に上り、真氏は引責辞任し、6月1日付で取締役の間瀬和秀氏が社長代行となった。7月末までにスポンサーを決める。 非上場ながら高い知名度 白元の創業は1923(大正12)年。泉氏がナフタリン防虫剤の製造をはじめた鎌田商会がルーツだ。戦後の50年に株式会社に改組した後、72年に商品名の白元に商号を変更した。防虫・防臭で事業を拡大させ、衣服用防虫剤「パラゾール」をはじめ冷蔵庫用脱臭剤「ノンスメル」、使い捨てカイロ「ホッカイロ」、衣服用防虫剤「ミセスロイド」、保冷枕「