とある大型書店さんを訪問し、売れ行きベスト10を確認したら、文芸書が一冊もなかった。そこは文庫、コミックを抜いた総合のベスト10を掲げているのだが、重松清や江國香織、本多孝好の新刊が出てもこれなのだ。 ガックリしつつ担当者さんに話を振ると「そんなんで驚いちゃダメですよ。ベスト50のなかに小説が2冊しか入ってないんですから」とベスト50のラインナップを見せていただく。うう、マジで小説が2冊しか入ってない…。そして「今や単行本の小説なんて専門書と一緒ですよ」と呟かれる。 ここ数年いちだんと単行本の小説が売れなくなった原因のひとつは、間違いなく文庫化スピード速くなっていることであろうと思うのだが、これはまた別の書店員さんに言われたことなのだが「お客さんが小説に費やす金額が、完全に文庫の金額が基準になってしまいましたね」とのことで、もはや元に戻すなんてことは不可能なのではなかろうか。 ではその分、