「加藤さん、最近、大連近郊や江蘇省にある日本企業の工場から、中国人労働者が大量に姿を消しているのを知ってるかい?」 先日、久しぶりに帰国した時に会った大手製造業の経営者にこう問われた。筆者は無意識のうちに答えた。 「聞いたことあります。先生のところもやられているんですか?」 この経営者は苦笑いを浮かべている。 「まあ被害者は決して私や同業者だけじゃないようだね。中国でのビジネスはこれから、いろんな意味で苦労しそうだ」 日中間で何らかの突発的事件が起きた際、地元に進出している日本デパートがデモ隊に取り囲まれたり、労働者ストライキで日本企業が率先して槍玉に挙げられたり――筆者はそんな場面を脳裏に描いた。 そう、日本企業はいつもターゲット(標的)になってきた。 しかし、今度はこれまでと少し様相が異なる。反日感情が原因ではないようだ。バッシングとも違う。悪いことをして、叩かれたのでもない。それでも
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