東京都中央卸売市場食肉市場の枝肉(上物、1キロ)の価格は8日、540円まで上昇し、400円程度で推移していた4月から3割以上も値上がりした。新型インフルエンザ感染が拡大するメキシコや米国などからの輸入豚肉を避け、国産を求める動きが強まっていることが要因と見られる。 国産豚肉の価格上昇が強まったのは、世界保健機関(WHO)が新型インフルエンザの警戒レベルを「フェーズ5」に引き上げた翌日の今月1日で、前日比60円高の508円に急騰した。 国内の豚肉需要の半分弱は輸入で賄っており、市場では「量販店などが輸入豚肉の代わりに国産の発注を増やしている」との見方が強い。農水省は「輸入、国産を問わず、豚肉は出荷前に殺菌され、適切に調理すれば安全」と説明している。