著者は、地球規模での過去の生物の大量絶滅は5回あったが、現代は6度目の大量絶滅が進みつつある時代であり、その絶滅を引き起こしているのは、ほかならぬ人類であるとする。 本書では、今まさに進みつつある人類による大量絶滅の実例をいくつも取り上げている。 まずは、キュヴィエによるアメリカマストドンの絶滅の発見。これは、ちょうど人類が北アメリカ大陸に進出していった時代と軌を一にするという。 また、北ヨーロッパから北アメリカに広く分布していたオオウミガラスは、簡単に捕まえられることとその味の良さや羽毛、燃料用に使われ、19世紀までに絶滅した。 さらに、産業革命以降の二酸化炭素の大量排出により、海水面近くの水素イオン濃度は低下を続けており、その影響を真っ先に受けるのがサンゴに代表される石灰化生物である。このまま海の酸性化が進めば、2050年までにはサンゴ礁は生き延びることはできないだろうとする。 そして