昨日の朝日新聞に「アラブのハルキ・ムラカミ論」という記事が載っていた。 村上春樹のエルサレム・スピーチについて疑問を投げかける意見である。 その場にいた私も感銘を受けた。しかし、何か、もやもやが残った。あえてイスラエルに来て、文学的表現で批判する日本の作家。それを受け止めるイスラエル人。知的な緊張と交歓。 * * * そこに紛争の一方の当事者であるパレスチナ人、アラブ人は不在である。 −−「アラブのハルキ・ムラカミ論」(カイロ 平田篤央)より抜粋 やはり、と思う。 ここで示されているのは、「村上春樹がしたことは正しいふるまいだったか」「村上春樹は正しいことをするべきだった」という、例の論調である。 だから、「正しい/正しくない」じゃないんだってば、とまたしても思う。 たとえば、国際会議の場であれば、パレスチナ側も同席していることはあるだろう。 そういう場でのスピーチであれば良かった、正