丹羽宇一郎駐中国大使の公用車が襲撃され、日の丸が奪われるという前代未聞の事件は、反日行動を国民の不満のはけ口に利用してきた中国当局の姿勢に起因する。 今年は国交正常化40周年の節目の年。日中関係のさらなる悪化を避けたいのが中国側の本音だ。最近、中国各地で反日デモが相次ぐ中、北京などの大都市では治安当局による警備が強化され、デモがほぼ押さえ込まれているところからも、それはうかがえる。 しかし、一方で今月19日に広東省深●(=土へんに川)市で起きた5千人規模のデモのさなか、一部暴徒化した参加者が日本料理店内を荒らし、日本車十数台を破壊したが、その後、捜査が進められているという話は聞かない。 昨年8月には、黒竜江省方正県で日本の旧満蒙開拓団員の氏名を刻んだ慰霊の石碑にペンキがかけられる事件が発生。尖閣諸島の領有権を主張する中国の反日団体「中国民間保釣(尖閣防衛)連合会」が犯行声明を出した。実行犯