先月、このコラムでもおなじみのネコのくまちゃんが、FIP(猫伝染性腹膜炎)という病気を発症し、命を落としました。 FIPは原因が不明で治療法もなく、特に若いネコにおいては一度発症すると数日から数週間で内臓が次々機能しなくなり、死に至ります。白血病やネコエイズに比べるとFIPの認知度は高くありませんが、恐ろしいことに実はそこまで珍しい病気でもないようです。 FIPと診断されてから最期のときを迎えるまでの二週間、周りの人々の理解とサポートのおかげで、私は幸運にも仕事や予定を全てほっぽりだして、くまちゃんの看病に専念することができました。 これまで私は、一緒に住んでいる人の死を経験したこともなく、誰かの死の瞬間に立ち会ったこともありませんでした。ネコと一緒に暮らすのも初めての経験だったので、もちろんネコを失うのも初めてでした。 日に日に目に見えて命が削られていき、最期に壮絶な死を迎える様子を目の