大阪府の橋下徹知事が見直しを打ち出し、閉館した府立国際児童文学館(同府吹田市)をめぐり、書籍などを寄贈した児童文学者ら29人が「図書館への資料移転は文化財としての性質を無視し、契約違反だ」として、府に返還を求めた訴訟の判決が26日、大阪地裁であり、矢尾渉裁判長は原告側の請求を棄却した。 判決によると、府は昭和59年、寄贈資料をもとに文学館を設立。約70万点を所蔵していたが、橋下府政の財政再建策で平成21年12月に廃館となり、蔵書が府立中央図書館に移転された。 判決理由で矢尾裁判長は「寄贈契約時の文書に府の義務は記載されていない」と指摘。橋下知事が過去に「寄贈者の思いに反するのであれば、お返しする」と発言したことも「解決策の一つとして提示したに過ぎない」と述べ、原告側の主張を退けた。 判決後に会見した原告で絵本学研究者の正(まさ)置(き)友子さん(71)は「世界に類のない児童文学館の位置付け