津波被害に遭った岩手県の陸前高田市立、大槌町立の2図書館が所蔵していた郷土資料を電子データ化して保存する取り組みを山梨県笛吹市のNPO法人「地域資料デジタル化研究会」がボランティアで始めた。泥まみれの資料を一枚一枚スキャナーで読み取り、ハードディスクに保存して来年3月末までに被災地に届ける予定だ。【曹美河】 同NPOは歴史や文化をデジタル化して後世に残そうと99年に結成された。現在メンバーは司書、会社経営者、主婦ら約30人で、山梨県を中心に図書館の資料を電子データ化し、閲覧や保存をしやすくする活動をしている。 理事長の小林是綱(ぜこう)さん(67)は司書や館長として約40年間、図書館に勤務し、09年4月から今年3月末まで、岩手県立図書館の指定管理者総括責任者だった。震災直後は、被災地の沿岸部の図書館を歩いた。特に2図書館は津波で建物内部が壊滅し、多くの蔵書が流失していた。半世紀前の議会議事