先週、欧米の失業率を巡るブライアン・キャプランとジョン・クイギンの賭けを取り上げたが(ここ、ここ、ここ)、クイギンが5月末にその補足とも言うべきエントリ「労働市場の帰結としての囚人(Incarceration as a Labor Market Outcome)」を書いている。 その中で彼は、囚人を(キャプランが言うように)失業者の別の形態として考えているというよりは、労働市場の別の形の悪しき帰結と考えているのだ、と主張している。そして、この考えは左派的でも過激でもなく、労働市場の研究、とりわけ他ならぬシカゴ学派の研究に基づくものだ、と述べている。 彼がそうした研究の例として挙げるのは、一つはグレン・C・ロウリーの研究、もう一つはスティーブン・レヴィットのヤバい経済学 [増補改訂版]で紹介されたスディール・ヴェンカテッシュ(ヤバい社会学の著者)のケーススタディである。そうした研究から彼は、