続く米銀の貸し渋り 米銀の貸し渋り傾向が続いている。今春の米銀破綻を受けて、中堅・中小銀行は預金の流出を強く警戒するようになった。預金流出が、銀行の信用不安の高まりを示す指標としてにわかに注目されるようになったためだ。そして預金流出を抑えるために、各行は預金金利を引き上げている。 しかし預金金利の引き上げは、銀行の利鞘を縮小させ、収益を悪化させてしまう。利鞘は縮小しても貸出のボリュームを増やすことで、収益を回復することができるが、実際はそうはなっていない。米銀の貸出は前年比で減少しているのである。 これは、大幅な利上げの影響で企業や個人の資金需要が弱いことに加えて、銀行が貸出を抑制しているためだ。貸出資産を抑えることで、自己資本比率を引き上げて信用力を高める狙いがあるが、それに加えて、貸出の信用リスクの上昇にも警戒し始めているのである。 「ジャンボモーゲージ」で高まる銀行のリスク 2008
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