杉山恒太郎 (電通役員) 【広告への関心の原点】 望月:杉山さんはお若い頃から広告に興味がお有りだったんですか? 杉山:広告を特に意識していた訳ではないですが、後から振り返ると一番大きかった経験は東京オリンピックですね。あの時のポスターやドキュメンタリー、映画作品。市川崑のドキュメンタリーは今でも世界の映画学校で教材として使われていると聞きます。あれは全て「日本」の広告ですよね。オリンピックは、初めて日本の魅力を世界にアピールした広告と言えると思います。 市川崑 「東京オリンピック」 「ジャパン・プレゼンテーション」という本を出させてもらって、今でも細々と売れているのですが(笑)、今でも「ジャパン・プレゼンテーション」というのが自分の目標ですね。東京オリンピックというのは、表現物もイベントそのものもまさしく「ジャパン・プレゼンテーション」だった訳です。戦後から、日本はオリンピックで2歩3歩