在日中国大使館の1等書記官の「スパイ疑惑」を報じた記事で名誉を傷つけられたとして、元民主党衆院議員で農林水産副大臣を務めた筒井信隆氏が、読売新聞東京本社などに5750万円の損害賠償などを求めた訴訟で、東京地裁(矢尾渉裁判長)は15日、同社側に330万円の支払いを命じる判決を言い渡した。 問題になったのは、2012年5月29日付朝刊1面「中国書記官 スパイ活動か」との見出しの記事など計15本の記事。この中で「(書記官が)筒井副大臣と親交」としたり、農水省の機密文書が漏れたことについて「前副大臣関与『濃厚』」と書いたりした。筒井氏が「正当な職務を恣意(しい)的にスパイ活動と関連づけて報じており、事実と異なる」と訴えていた。 判決は、記事の5カ所について「スパイと軽率に親密な交際をする危機管理能力に乏しい人物との印象を与える」などとして筒井氏の名誉を傷つけたと判断。うち4カ所について「職務を超え