【パリ=内藤泰朗】通称「MI6」として知られる英秘密情報局のジョン・ソワーズ元長官が16日付の英紙フィナンシャル・タイムズに寄稿し、「次のテロの標的はフランスではなく、ドイツか、英国の可能性が高い」と警告を発した。 その理由として、テロを画策するイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の目標は「欧州を分断し、不安定化させることにある」と指摘。難民や移民の大量流入に反対する極右を台頭させる一方で、欧州のイスラム教徒を孤立させることを狙っているとし、政治的に難しい立場にあるドイツで、最大の効果が期待できるからだと説明した。 ただ、過激派が次のテロをどこで起こすかは「政治的な計算と実行部隊の準備状況で決まる」とも語った。その上で「米国の助けを期待してはいけない」と強調し、英仏独が欧州の対テロ情報戦を主導すべきだとの考えを示した。