先日、数理計画法ツールのベンダーである数理システム(株)の主催するセミナーで、竹内郁夫・東大名誉教授の講演を聴く機会があった。テーマは「射程内に入った実時間ごみ集め」、LISPのリアルタイム・ガーベッジ・コレクションの話である。ミーハーの私は、竹内先生の書かれた名著「初めての人のためのLISP」(今年再版された)を持っていき、サインをお願いした。と、驚いたことに、「じゃあ筆を出すから」と言って、鞄から小さなケースに入った毛筆を出して、さらさらと献辞をしたためてくださった。日本語へのこだわりといい、毛筆といい、なんて粋なんだ! と感心した次第である。 ところで、竹内先生の講演内容は大変面白かったが、『実時間』という概念について、なんとなく無条件に前提されているように感じられた点が、ちょっと気になった。むろん、LISPのごみ集め性能については、セル消費とスイープによる回収の速度の比較として明確