タグ

ブックマーク / brevis.exblog.jp (341)

  • 生産スケジューラなど不要になる、もしこうすれば・・ | タイム・コンサルタントの日誌から

    このあいだ、製造実行システム(MES)を販売する外資系メーカーの人たちと話していたら、面白いことを言っていた。MESパッケージには、実行系機能のほかに、いわゆる生産スケジューリング向けの計画系機能が含まれている。しかし日では、この計画系機能をあまり積極的にマーケティングしていないのだそうだ。 なぜかというと、アスプローバやフレクシェをはじめとする、国内のスケジューラメーカーが強すぎて、勝負にならないからだという。だから、実行系や分析系等の広範囲な機能と、海外でも使えるグローバル性をセールスポイントにしています、と言っていた。 今日、日の製造業では、多くの企業が生産スケジュールに関することで悩んでいる。昨年来、(財)エンジ協会「次世代スマート工場」の研究会でも、製造業向けにシンポジウムや講演など様々な活動をしてきたが、参加者の問題意識の多くが、計画系に関する悩みだった。

    生産スケジューラなど不要になる、もしこうすれば・・ | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 休み休み働こう | タイム・コンサルタントの日誌から

    現代の経営学は、今から100年前、フレデリック・テイラーの「科学的管理法」の実践的研究に始まると言われている。テイラーはBethlehem Steel社の工場の技師長だった当時、銑鉄(ズク=Pig-iron)を運ぶ肉体労働に関し、観察と実験に基づく科学的な方法によって、劇的に生産性を向上させたことで知られる。 彼はまず、この一連の労働を、5つの要素的なタスクに分解する。そして、それぞれに必要とする適切な作業時間を割り出した。さらにSchmidt(仮名)という労働者を選び出し、彼に「ズクを持ち上げろ、歩け、回って休め、歩け、休め」と、ストップウォッチ片手で指示した。それまで、労働者の恣意的判断に任されていた時間の使い方を、細かくコントロールしたのである。 その結果は驚くべきものだった。それまで労働者1人は、1日平均12.5トンしか運べなかった。ところがSchmidtは、なんと47.5トンの銑

    休み休み働こう | タイム・コンサルタントの日誌から
  • モダンPMへの誘い 〜 出費が予定を超えなければ大丈夫? | タイム・コンサルタントの日誌から

    もう10年以上も前のことになるが、ある大手システム・インテグレーターに呼ばれて、そこの有力なプロジェクト・マネージャーさん達の話を聞いたことがある。プロマネさんの1人は、こんな話を切り出した。 「PDCAサイクル、なんて言ってもさ、それって大体、絵に描いたじゃないか。そもそも最初に計画なんか、ふつう立てないだろ? プロジェクトに飛び込んだら、最初はまず、様子を観察するはずだ。顧客やメンバーに話を聞いて、これまで使った費用とかを確認して、状況を理解する。その上で方針を決めて、やるべきことをやっていく。これが現実のサイクルじゃないか。」 その時は、ふーん、と言う気持ちで聞いていたのだが、後になって、この人はいわゆる「OODAループ」の説明をしていたのだと気がついた。PDCAはPlan, Do, Check, Actionの略だが、OODAはObserve, Orient, Decide, A

    モダンPMへの誘い 〜 出費が予定を超えなければ大丈夫? | タイム・コンサルタントの日誌から
  • モダンPMへの誘い 〜 この質問の意味が分かりますか? | タイム・コンサルタントの日誌から

    あなたは、ある化学企業の経営者だ。自社の業容拡大をはかりたいが、日の国内市場はすでに飽和しているため、海外の新興国に権益を得て、新しく化学プラントを建設することにした。 そして、これはと思う部下をプロマネに任命し、現地に派遣する。しかし、プラントはなかなか完成しない。それどころか、現地のパートナー企業の不満の声も、あなたの元に届いてくる。そこでTV会議で現地のプロマネを呼び出し、話すことにした。では、あなたがまず質問すべき事は何だろうか? ・・これは、わたしが大学などでプロジェクト・マネジメントを教える際に、よく最初に出す問いかけだ。出席者に尋ねると、いろいろな答えが返ってくる。例えば「工事はどこまで進んでいるのか」「資材は十分に足りているのか」「労働者の質はどうか」などなど。

    モダンPMへの誘い 〜 この質問の意味が分かりますか? | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 強すぎるリーダーシップは、その人自身にとって危険である | タイム・コンサルタントの日誌から

    その手紙を見つけたのは、父の執務室の机の中だった。わたし達はその日、遺品を整理するため、亡き父が通っていた社のオフィスを、初めて訪問していた。机の広い引き出しの奥のほうに、他の文房具などに混じって、小さな封書入りの手紙があった。切手も、宛先住所もない。おそらく職場で人づてに、あるいはもしかしたら直接、渡されたのだろう。 父は機械屋だった。大学で機械工学を学んだが、学生運動に加担していたため、大企業ではなく、創業したばかりの小さな機械メーカーに入った。創立時のメンバーは6、7人ほどだったと聞く。幸い戦後復興と高度成長の追い風もあって、次第に中堅メーカーへと成長していった。まだ50代の若さで病没した時、父はその会社の常務になっていた。 わたしの考え方は、父に非常に影響されている。化学工学を専攻したわたしに、就職するならエンジニアリング会社が良い、と勧めてくれたのも父だ。人が生きていく上では哲

    強すぎるリーダーシップは、その人自身にとって危険である | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 言葉の二重の壁を乗り越える | タイム・コンサルタントの日誌から

    拙著「世界を動かすプロジェクトマネジメントの教科書」https://amzn.to/3ZTfx8g にも書いたことだが、自分が海外プロジェクト部門に出たのは、39歳の時だった。それまでは主に国内向け業務の部門におり、半分はIT系の、残り半分は新規分野の事業開発的な仕事をしていた。しかし「このままでは、せっかくエンジニアリング会社にいるのに、流であるプラント系の海外プロジェクトを知らないままになる」と、自分のキャリアに危機感を抱くようになり、思い切って手を上げ、全く未経験の部門に移ったのだった。翌年は不惑。遅すぎるかもしれないとの不安をいだきつつの決心だった。 移った先では、すぐにプロジェクト・チームに配属された。英国・米国と自社の3社ジョイント・ベンチャーで、ある中東の大型LNGプラント案件の基設計と見積を行っていた。右も左もわからないど素人が、プロジェクトの真っ只中に放り込まれたのだ

    言葉の二重の壁を乗り越える | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 海外プロジェクトの障壁は文化や言語ではない | タイム・コンサルタントの日誌から

    銀座のカフェに座って、この文章を書きはじめている。周囲は外国人ばかりだ。耳慣れない、いろんな音声が飛び交う。みんな観光客なのだろうな。日にようこそ、楽しんでいってもらえば幸いです・・滅多に銀座なんかに来ないわたしだが、勤め先である横浜みなとみらいでも、事情はだんだんと似てきた。 観光地のカフェで外国人旅行客に取り囲まれる事と、海外企業とのプロジェクトを進めることとに、共通点はあまりない。耳慣れない外国語の音声がときどき聞こえる、でも意味が分からないので聞き捨てにする。髪の毛や肌の色の違う人たちが、ちょっと物珍しいことで喜んだりする。そんな楽しみ方もあるのかと驚くが、自分も共感できる訳では無い。共通するのは、そんなところだろうか。 海外プロジェクトの最大の障壁は文化・風習や言語の違いである、と考える人は少なくないようだ。たとえばイスラムの国では、1日に5回お祈りをするから、仕事がしょっちゅ

    海外プロジェクトの障壁は文化や言語ではない | タイム・コンサルタントの日誌から
  • プロジェクト・マネジメントをマネジメントする 〜プログラム・マネジメントとは何か | タイム・コンサルタントの日誌から

    それでは、部長が課長をマネージすることも、ガバナンスなのか? 課長だって、立派なマネジメント職である(ちなみに、わたしの職場では課長職のことを、昔から「マネージャー」と言う職名でよんできた)。 答えから言うと、それは違う。確かにガバナンス的な側面も、少しはある。だが、課長は部長にマネジメントされている。部長の指示には強制力があるからである。強制力を伴う計画・指示と報告・評価のサイクルをマネジメントと呼ぶ。 強制力とは何か。それは簡単に言うと、賞罰の力である。指示に従った場合には、褒賞を与え評価する。従わなかった場合には、罰を加え、あるいはその地位から追放することができる。また、重要な経営資源の運用に関する決裁の権限も持つ。具体的には、特に金銭である。費用の支出には、承認が必要となる。それがマネジメントの強制力だ。 これに対して、取締役会が会社の執行役員や経営者に対して用いる権限は、影響力で

    プロジェクト・マネジメントをマネジメントする 〜プログラム・マネジメントとは何か | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 企業経営のガバナンスとシナジーを再考する | タイム・コンサルタントの日誌から

    わたしの勤務先は数年前、ホールディングス体制に移行した。ご存知の通り、ホールディングス体制と言うのは、親会社が持ち株会社となり、子会社がそれぞれの事業を担う形で、企業体を運営していく方式だ。従来ひとつの会社だったものが、事業分野ごとに分社化したとも言える。 たまたま、わたし自身は、ホールディングスの所属となり、経営企画部門で仕事をしている。分社化する前から、足掛け10年位にわたり、経営企画とIT戦略の仕事を行ったり来たりしていたので、仕事の内容自体に大きな違いはない。 ただ、一つだけ変化した点がある。事業部門との距離感が微妙に、しかしはっきりと、遠くなったのだ。言い換えると、より気を使わなければならなくなった(佐藤に「気を使う」ようなセンスがあるのかどうか、とのご批判はさておくとして)。その代わり、事業部門側の意思決定が速くなった面もあるはずだが。

    企業経営のガバナンスとシナジーを再考する | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 『特殊病』それは日本の病気です | タイム・コンサルタントの日誌から

    自分のプロフィールに「国内外の製造業及びエネルギー産業向けに、工場作り・生産システム構築の仕事に従事してきた」などと書いているためか、「日の製造業は、海外に比べて特殊なのですか?」という趣旨の質問をされることが、時々ある。「なぜ日海外はこうも違うのでしょうか?」といった聞き方の場合もある。 こうした質問は、日海外で同等なはずのものが、なぜか違っていた、との事例とともに、語られることが多い。例えば、同じ企業のグループに属しながら、生産管理系のパッケージソフトを、海外工場ではノンカスタマイズでスムーズに導入できたのに、国内工場では苦労したあげく、失敗したという事例。あるいは、国際標準に従ったサプライチェーンの仕組みが、日国内だけどうしても使えなかった事例。 さらに、国内では立派なプロジェクトマネジメントの実績を持つ会社が、海外に出て行って遂行したら、赤字や納期遅延で痛手を被ったケー

    『特殊病』それは日本の病気です | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 希望の配当——ロボットとAIは人間を創造的にするか | タイム・コンサルタントの日誌から

    生まれて初めて中東の国を訪問したのは90年代半ばのことだった。かつて「パンのみに生きるにあらず」 という記事にも書いたが、季節はまだ確か5月か6月、当の真夏になる前だった。でも、好奇心から持っていった温度計で、ホテルの裏の路地を測ってみて、気温34度と言う数字にぶったまげた。 「なんて暑いんだ。」日では信じられないほどの暑さだ。・・実際、その頃、関東では真夏になっても、気温が33度を超えることなど、めったになかったのだ。 暑いだけではない。ペルシャ湾(アラビア湾)に面したその国では、大気中の湿度が非常に高いのだった。これは現地に行ってみるまでわからない、意外な事実だった。砂漠の国=カラカラに乾燥した土地、と言うイメージしか持っていなかったからだ。湿度がほとんど100%なのに、半年間、一滴の雨も降らないような天候が存在するなど、誰が想像できるだろうか。

    希望の配当——ロボットとAIは人間を創造的にするか | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 考える技法——人間は言葉で考えるか | タイム・コンサルタントの日誌から

    単身で海外に出て1〜2週間たち、日語をほとんど使わない日々が続くと、英語で夢を見ることがある。夢の登場人物たちと英語で話し、夢の状況について英語で自問自答する。目が覚めると我に返ったような、ちょっと不思議な気分になる。だが、日中も同じようにしているから、そんな夢をみるようになるのだろう。 昭和の頃、ある有名な英語学校が「英語で考える」を教育スローガンにしていた。その広告を見るたびに、なんだか奇妙な感じがした。言いたいことはもちろん、わかる。英語で文章を作るときは、日語の発想とは全く異なる仕方で、最初から英語的に組み立てないと、まともな英文にならない。自分の頭の中で日語を介在させても、時間と思考力のムダになるだけだ。 わたしが昨年、出版の取りまとめと編集をお手伝いした恩師の著作「 気品あるアタマと冒険ある実践」(西村肇・著)の中に、「人間と言葉 〜人は言葉で考えるか 科学者とコトバ〜」

    考える技法——人間は言葉で考えるか | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 訳書「サプライチェーンサイエンス」(W・J・ホップ著)を出版しました | タイム・コンサルタントの日誌から

    サプライチェーンサイエンス 「サプライチェーンサイエンス」(W・J・ホップ著)刊行のお知らせこの7月に、近代科学社さんからW・J・ホップ著「サプライチェーンサイエンス」 の翻訳書を刊行しました。電子書籍と、紙の(オンデマンド出版)の両方で販売されます。すでにAmazon, honto等のサイトからも注文可能です。 書は、慶應義塾大学・管理工学科教授の松川弘明先生(日経営工学会の前会長でサプライチェーンマネジメントの権威)と、わたしが監訳者となっており、実際の翻訳は、「次世代スマート工場のエンジニアリング研究会」 の技術開発分科会メンバーが担当しました。また出版にあたり、(財)エンジニアリング協会から助力を得たことも付記し、感謝の意を表します。もっともわたし自身は、翻訳にそれほど大きな貢献をしているわけではなく、来であれば監訳者としては、書の重要性を早くから見出して、初期の版の仮訳

    訳書「サプライチェーンサイエンス」(W・J・ホップ著)を出版しました | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 書評:「世界史とつなげて学ぶ 中国全史」岡本隆司・著 | タイム・コンサルタントの日誌から

    世界史をモデリングするーーシステム分析家やシステム・モデラーだったら、そういう課題に挑戦したいと思うかもしれない。そうでなくても、中国という隣国の成り立ちと行く末について、俯瞰的な立場から考えてみたいと感じる人は少なくあるまい。そういう人におすすめなのが、書である。 著者は大学の先生で、歴史学者である。ふつうプロの学者というと、実証的で専門的な、ある意味で重箱の隅をつつくような、分野に特化した人を思う。分析的な、細かく分けて識別していくタイプの知的専門家だ。だが著者はまったく逆である。この人は、モデリングの人なのだ。 著者のアプローチは、梅棹忠夫の「文明の生態史観」などに通じる。事実、冒頭の章で梅棹の文明的な地域区分の図が出てくる。ユーラシア大陸を、ざっくり東西に伸びた楕円形に模して、その中心を斜めに走る砂漠と周囲の乾燥地帯、そして両端のより湿潤な地域に区分した図である。乾燥地帯には遊牧

    書評:「世界史とつなげて学ぶ 中国全史」岡本隆司・著 | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 高度人財の価値をはかるには | タイム・コンサルタントの日誌から

    先日のエントリ「物流は当に付加価値がない業務なのか」 (2023-06-04)でも書いたことだが、国交省は「高度物流人材」の育成策を講じている。わたし自身も昨年度から、日ロジスティクスシステム協会の「ストラテジックSCMコース」の講師をお手伝いすることになったので、少しばかり身近に感じる立場である。 ただ、そこにも書いた通り、物流業務はふつう、付加価値を生まない業務として低く見られている。理由は、モノを保管したり需要地に移したりしても、会計上は価値が変わらないことになっているからだ。モノの価値は、その市場価格によって客観的に決まる。産地の米を消費地に移しても、価値が変わるわけではない。むしろ原価が上がるだけ。これが会計学の主流の考え方だ。 これに対して、同じモノでも、需要に近いほうが価値が高い(在庫毀損のリスクが小さい)と考えれば、物流にも付加価値が生じてくる。これがわたしの考え方だが

    高度人財の価値をはかるには | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 物流は本当に付加価値がない業務なのか | タイム・コンサルタントの日誌から

    先週の5月26日に、「アジア・シームレス物流フォーラム」https://mf-p.jp/aslf/ のパネル・ディスカッションに参加してきた。このフォーラムは日マテリアルフロー研究センター(JMFI)が主催する展示会で、国内外の大手物流関連企業が集まっている。コロナ禍が過ぎて3年ぶりにリアル展示となり、来場者数も多くかなり盛況だった。物流関係の催しなので、サイトの読者からは縁遠いかと考え、とくにお知らせもしていなかったが、SCMの関連テーマもあり、広報すべきだったかもしれない。

    物流は本当に付加価値がない業務なのか | タイム・コンサルタントの日誌から
  • ERPとMESの分担はどうあるべきか | タイム・コンサルタントの日誌から

    昨年後半から何回か、スマート工場に関連し、製造実行システムMESに関するレクチャーをしたり、人前でお話しする機会があった。その中でいただいた質問やコメントについて、ここで少しばかり解説を補足させていただこうと思う。 最初の論点はMESとMOMの違いである。私が幹事を務める(財)エンジ協会「次世代スマート工場のエンジニアリング」研究会 では、一昨年、そして昨年と2回にわたって、MESに関するシンポジウムを開催した。そのシンポジウムでは、あえてMESとMOMをあまり区別せず、一括してMESと呼ぶことにした。また、野村総研・経産省に提出した「国内工場におけるMES(製造実行システム)導入動向等調査レポート」 では、MES/MOMという書き方をした。つまり、あえて両者を区別しなかったわけだ。しかしこの2つは同一の概念だろうか? 当は、両者は違う。MESとMOMは、それぞれ別のグループの人たちが、

    ERPとMESの分担はどうあるべきか | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 考える技法——どう考えるかより、いつ考えるかの方が大事である | タイム・コンサルタントの日誌から

    考える技法、思考のノウハウについては、世の中に数多くのやコンテンツがある。しかし、いつ考えるべきかという問題については、あまり論じたものを見たことがない。今回はこれについて考えてみよう。 Systems Thinkingの方法論などで知られるジェラルド・M・ワインバーグの名言に、「やり方(Know-how)よりも大事なのは、しおどき(Know-when)だ」と言う言葉がある。良い結果を得るためには、どのようにやるかの方法を知ることも必要だが、いつどんな時にその方法を用いるべきかを知ることの方が大切だ、と言う意味である。

    考える技法——どう考えるかより、いつ考えるかの方が大事である | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 考える技法――思考の3つのモードを使い分ける | タイム・コンサルタントの日誌から

    考え事をするのが、趣味である。あなたの趣味はなんですかと、もし聞かれたら、読書とか音楽とか、当たり障りのない答えをするかもしれない。でも、当の趣味は何かと自問したら、きっと「考える」ことなのだろう。暇さえあれば、考え事をしている。趣味とは自由な時間ができたとき、真っ先にすることだとしたら、「思考」がわたしの趣味なのだ。 何を考えるのかって? いろいろなことをだ。仕事に関わることを考えることもあるが、職場を離れたら、それ以外のことを考えることの方が多い。それも具体的な問題より、抽象的な問題を考えることを好む。じつは最近、ずっと休眠していたTwitterのアカウント(tomoichi_sato )を復活させ、毎日思いついた思考のエレメントというか、フラグメントを少しずつ流している。ご興味があったら参照されたい。 ちなみに、このところしばらくは、SCMに関わる「システム=仕組み」というものの性

    考える技法――思考の3つのモードを使い分ける | タイム・コンサルタントの日誌から
  • SCMにはアウトバウンドとインバウンドがある | タイム・コンサルタントの日誌から

    サプライチェーン・マネジメントの話をもう少し続けたい。SCMは非常に広義な概念である。曖昧と言っても良い。そこで、その中身を区分し、分類しておかないと、何の話をしているか分からなくなりがちだ。 サプライチェーンには、自社内で閉じた範囲と、他の企業を含む広い範囲の2種類があることを、前回記事では書いた。自社内での原料調達から製品の保管・出荷までは、基的に自社が統括する業務から成り立っているので、やろうと思えば、全体を調和的にマネジメントすることができる。 もちろん、マネジメント「できる」と、マネジメント「できている」は全く違う。できている企業は、滅多にない。なぜできないかと言うと、日企業では経営層も中間管理職も縦割り思考が強く、その必要性を理解していないからだ。求めないものが実現する訳がない。 さらに言うと、製造業では、「マネジメントとはPDCAサイクルを回す事である」との理解が強い。だ

    SCMにはアウトバウンドとインバウンドがある | タイム・コンサルタントの日誌から