松井珠理奈のSKE48としての最後のミュージックビデオ撮影は、ある冬の日に東京都内のスタジオで丸1日かけて行われた。朝早く現場入りした松井はいつも通り笑顔でスタッフに挨拶したのち、カジュアルな私服からプリンセスラインの壮麗なロングドレスにチェンジ。頭には花のアクセサリーを付け、しっとりとした卒業ソングを歌うのにぴったりな出で立ちでカメラの前に立った。まず松井はシンプルな背景紙や布をバックに、リップシンクやイメージシーンの撮影に臨み、自身の思いをたっぷりと乗せた歌詞を柔らかい表情で口ずさむ。時折り監督と笑いながら会話を交わすなど、リラックスした様子で撮影を進めていった。 続いてカメラに収められたのは、SKE48の過去のMV映像に囲まれながらゆっくりと歩き出す感動的なシーン。松井はスタジオの壁3面に次々と映し出される映像をしみじみと見渡しつつ、2018、2019、2020……というタイムライン