なぜ、その歌が良いと思ったのでしょうか? 南部の木には変わった実がなる 葉には血、根にも血 黒い実が南の風に吹かれて揺れる ポプラの枝にぶら下がった黒い果実 南国ののどかな景色 飛び出た目とゆがんだ口 甘く強烈な木蓮の香り 熟した実の饐えた匂い カラスが来て実をついばむ 雨は滴り、風は舐める 実は腐って木から落ちる 風変わりな苦い果実 これは、ビリー・ホリデイが歌った「奇妙な果実」の歌詞ですが、奇妙な果実というのは人間の黒人だということなのです。 想像するだけで衝撃的ですが、当時も衝撃的だったことと思います。 この歌の作詞者はブロンクスにある高校で教師として働いていた白人のエイベル・ミーアポルという人物です。同氏は、妻とともに共産党に入党していました。しかし、当時アメリカで共産党員であることは、秘密にする必要がありました。しかし、ミーアポルの隠された顔はそれだけではありませんでした。 彼に