発行日 : 2024 年11月28日 発行 : 『文化と生物学』編集部 編集 : 服部円、飯沢未央、細谷祥央、切江志龍 デザイン : 岡崎智弘 ウェブ : 竹田大純(HAUS) アドバイザー : 岩崎秀雄(早稲田大学)、伊勢武史(京都大学) 助成 : 一般社団法人MAM 『文化と生物学』へのご意見、ご質問はこちらのお問い合わせフォームよりお願いします。 記事PDFについては、ブラウザで閲覧、もしくは出力して読んでいただくなど、ご自由にお楽しみ下さい。

今回は、孔雀茶屋と花鳥茶屋について紹介します。これらはともに、江戸時代に大坂、京、名古屋、江戸などで見られた、禽獣を飼育し一般に公開していた施設です。主に大坂では孔雀茶屋、江戸では花鳥茶屋と呼ばれていました。どちらも飼育している禽獣を人々に見せていたという点では同じですが、造園学者の若生謙二によれば(『動物園革命』岩波書店 2010年)、一方の孔雀茶屋は庭の様にしつらえた空間できれいな鳥を鑑賞する形態であり、もう一方の花鳥茶屋は雨天でも鑑賞できる建物があり、酒や落語も提供されるような娯楽的要素の強い形態であったようです。飼育されていた動物はクジャクやオウム、インコなどの鳥類が多いものの、中にはシカを飼育して見せていたところもあったそうです。 江戸時代の「動物を見る娯楽」といえば見世物興行がまず思い浮かびますが、孔雀茶屋や花鳥茶屋の場合、興行が行われるような狭い仮設小屋ではなく、常設の比較的
エツは日本では有明海とその流入河川だけに生息する珍しい魚で、毎年この時期になると産卵のために川へと遡上してくる。
こんにちは、アヒルのマー君です。 先日、浜離宮恩賜庭園に行って来ました。 ちなみに、浜離宮恩賜庭園には鴨場(かもば)があります。 そこで初めて知ったのですが、鴨場では水鳥を捕まえるのにアヒルを囮(おとり)に使うそうです。 とても興味深かったので、今日は鴨場の仕組みについて話したいと思います。 鴨場とは 鴨場とは、鴨猟をするための場所のことをさします。 鴨場の仕組み 鴨場のそばに説明が書かれた看板がありましたので、今回はその看板を使って説明していきたいと思います。 鴨場の構造 鴨場は、「元溜り」、「引堀」、「小土手」と「小覗」から構成されています。 (1)元溜り(もとだまり) 水鳥を呼び込むための池。 ここには、普段から人間に手なずけられたアヒルがいます。 (2)引堀(ひきぼり) 水鳥を誘い込んで捕まえるための堀。 (3)小土手 引堀の両側に土が盛られた土手。 (4)小覗(このぞき) 鷹匠が
埼玉鴨場(埼玉県越谷市)及び新浜鴨場(千葉県市川市)では、野生の鴨を無傷のままで捕獲する独特の技法が維持保存されています。 我が国では、古くから網や鷹を使って鴨を捕獲していました。一方、鴨場で行われている技法は、元溜(もとだまり)と呼ばれる12,000平方メートル(約3,600坪)の池に集まった野生の鴨を訓練されたアヒルを使い引堀に誘導し、絹糸で作られた叉手網(さであみ)と呼ばれる手持ちの網を用いて鴨が飛びたつところを捕獲するものです。この技法は、江戸時代に将軍家や大名家に伝わっていたものを明治以降、皇室が継承して今日に至っています。 鴨場は、内外の賓客接遇の場としても用いており、毎年11月15日から翌年2月15日までの狩猟期間に招かれた閣僚、国会議員、最高裁判所判事や各国の外交使節団の長等がこの独特の技法で自ら鴨を捕獲します。 なお、捕獲した鴨は、国際鳥類標識調査に協力して種類、性別など
駐日大使としての役得の一つに、宮内庁からの「鴨場」へのお招きがあります。今回は私たちもお邪魔することにしました。参加してみて思いますのは、勤務中、なかなかこれほど洗練された経験をしたことはないということです。 宮内庁が管理している鴨の狩猟場「鴨場」は二つあり、両方とも東京からあまり遠くない場所に位置しています。今回お邪魔したのはそのうちの小さいほうで、埼玉県越谷にあります。樹々の生い茂る中に、縦130メートル、横100メートルほどの池「元溜」があり、そこから外に向かって何本もの細長い「引堀」が伸びています。この鴨場では、シベリア方面・北米との間を渡り鳥として往来する十種類以上の鴨が8月末から翌年の5月はじめにかけ羽を休めるのだそうです。これを利用し、宮内庁鴨場では鴨に標識(足環)をつけ、記録をとるために鴨を捕獲し、作業が終了すると再び放鳥しているのだそうです。時々、各国大使が配偶者や18歳
草泥馬(そうでいば、クサドロウマ[1]、簡体字:草泥马、ピンイン:cǎonímǎ、注音符号:ㄘㄠˇㄋㄧˊㄇㄚˇ)とは、中国のネット上の電子掲示板、動画などで現れるアルパカに似た外観を持つとされる架空の動物である。英語では"grass-mud horse"と呼ばれている。 草泥馬のモデルのアルパカ(イメージ) 一文字で「草泥馬」を意味する創作漢字。これもネット上で発生したもの 一文字で「草泥馬」を意味する創作漢字を用いた篆刻作品 「草泥馬」はシマウマやアルパカの姿で表現され、2009年の初め頃から動画サイトなどに投稿され始めた。「草泥馬」は英語の「fuck your mother」に同じ意味の中国語の卑語「肏你媽、cào nǐ mā、ㄘㄠˋ ㄋㄧˇ ㄇㄚ-」に類似する音(同音で声調違い)の漢字を当てて動物の名前のようにしたものである[2]。 元々は2009年初頭に始まった、政府諸機関がネット
紹介 日本の“国虫”はゲンジボタルで決まり?! 「あなたの情はセミの羽のように薄い」と夫を難詰した『蜻蛉日記』の作者。クモの糸のおかげで九死に一生を得た源頼朝。蛾に想いを託した幕末のヒーロー土方歳三。バッタの跳躍力をまとった仮面ライダー。日本人と昆虫との奇妙な関係を探る〈文化昆虫学〉のエッセンスが詰まった新しい教科書誕生! 〈文化昆虫学〉は1980年代にアメリカで提唱された。その研究対象は文化的/余暇的なモノである。しかしながら、これまでの文化昆虫学の分析対象は、有名古典文学や美術史上の重要絵画など、主に上流階級が担った“お堅い文化”に限定されてきた。本書は、明治大正期のペット昆虫、現代の特撮やアニメ、街中のお菓子のモチーフなど“大衆文化”に見られる昆虫にも着目し、『万葉集』『枕草子』からは見えてこない、日本人と昆虫との知られざる関係を明らかにした、令和新時代の文化昆虫学の教科書である。
散歩道場へようこそ一味違う散歩の方法を知る達人たち。彼らに聞いた、さまざまな分野の散歩術を集めてみました。視点を変えてみたり、想像力を働かせたりするだけで、いつもの帰り道が未知の世界に様変わりするかもしれません。 2020年10月に初の著書『たのしい路上園芸観察』(グラフィック社)を発表した路上園芸学会の村田あやこさん。住宅や店舗の前などで営まれる園芸や、路上空間で育まれる緑を「路上園芸」と名付け、その撮影・記録を行う“路上園芸鑑賞家”だ。
お正月に日本各地で食べられているお雑煮は、実はとても多種多様です。 もともとお雑煮は、年越しの夜「年神様」に供えた餅と地場の産物を、年明けにひとつの鍋で煮て食べたもの。家々に一年の 実りと幸せをもたらす年神様とともに食べるお雑煮は、豊かな暮らしと自然の恵みへの祈りが込められた大切な行事食でした。 各地のお雑煮を見てみると、日本人の暮らしを支えてきた多種多様な自 然の恵み、「生物多様性」の姿が見えてきます。 (↓クリックすると大きく表示されます) ※各地の特徴あるお雑煮の一例を紹介しています。味付け、具材などは同じ地域でも地区や家ごとにさまざまに異なっています。 ※2009年の日本調理科学会調査の結果から、各都道府県で最も割合の高かった味付けを地色とし、25%以上の割合を占めた味付けをドッド柄で重ねて示した。 お雑煮イラスト:稲葉千恵美 参考文献:『全国から集めた伝統の味 お雑煮100選』文
History of Japanese Honeybee Beekeeping. 我が国におけるニホンミツバチの養蜂、およびハチミツ利用の黎明期〜明治・大正時代までの歴史を概観します。 また、参考となる歴史的史料は、表にまとめてページの下に掲載しています。 特に江戸時代のニホンミツバチの養蜂を伝える重要資料である、「蜂蜜一覧」明治5(1872)年版、(丹波修治:編撰、溝口月耕:図画)については、日朝(ひあさ)秀宜(ひでのり)氏(日本女子大学附属高校教諭)のご協力を経て、絵図のキャプションも含めて、全文の翻字(文字起こし)を行いましたので、合わせてご覧ください。 これは、国内各地域の物産・名産を浮世絵風に印刷した「教草(おしえぐさ)」の中の1枚であり、ウィーン万博に出品されたもの。岐阜県の渡辺養蜂場さんのHPから、渡辺孝氏の解説つきで、絵図を購入することができます。 セイヨウミツバチ導入以前
ニホンミツバチの伝統養蜂の歴史、そして現代の養蜂文化を知るために Explore the beekeeping culture of Japanese Honeybee ニホンミツバチの養蜂は山間地域を中心に、地域の環境や生業など、様々な要因と共に、現代まで受け継がれてきました。 このサイトは、今あたらめて、各地のニホンミツバチの養蜂の情報を集約・共有すること 地域の養蜂の独自性や歴史、地域を超えた共通性をさぐることなどを目的に、開設いたしました。 そのため、先行研究(文献)一覧を掲載したほか、今後、養蜂のフィルムも作成していくなど、徐々にコンテンツを増やしたいと思っています。 今、世界各地で、在来の野生ミツバチの養蜂、人間・自然との関わりが、注目されています。 国内の養蜂文化の共有はもとより、今後、アジア各地の在来ミツバチ、ひいては世界のナチュラル・ビーキピングの情報交換の一助となること
実はやり取りの中で最初の疑問、「昔からいたの?」は「クワガタはいた」でほぼ結論出ているのですが、そうなると、後者の疑問「なぜ文化史に登場するのは遅いの?」がさらに強くなります。まだ「これだ!」という回答はないようですが、どうなのでしょう?
趣味は食材採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は製麺機を使った麺作りが趣味。(動画インタビュー) 前の記事:佐渡に伝わるカラフルなだんご、「しんこ/おこし」を調べる > 個人サイト 私的標本 趣味の製麺 台北の都市型ゲーセン風釣り堀へ 今回の旅行は台湾を北から南に移動しつつ、各都市を泊まり歩くという計画。まず台北に二泊して、台中、台南、そして前回釣りをした高雄で各一泊の計五泊だ。 調べてみると宿泊する全都市にテナガエビの釣り堀はあった。よし、毎日行けるじゃん。なんて計画を立てつつも、実際は途中で飽きそうだけど。 この旅行は10人以上の大人数で、基本となる飛行機や宿泊先などの大まかな流れだけが決まっていて、それを踏まえつつ細かい部分は好きにしましょうというもの。私はエビ釣りが最優先事項なので、雨の降る初日の夜から1人で釣り掘へと向かった
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く