2022年7月8日、奈良県奈良市の大和西大寺駅北口付近で、安倍晋三元首相が銃撃され、その日の夕方に息を引き取った。現行犯逮捕された山上徹也容疑者は、事件の前日、ルポライターの米本和広氏へ宛てた手紙に「苦々しくは思っていましたが、安倍は本来の敵ではないのです」「あくまでも現実世界で最も影響力のある統一教会シンパの一人に過ぎません」と書いていた。 山上徹也とはどんな人間で、何を考えていたのか。『「山上徹也」とは何者だったのか』(講談社+α新書)を上梓し、事件前に山上からSNSでメッセージを受け取っていたジャーナリストの鈴木エイト氏に聞いた。(聞き手:長野光、ビデオジャーナリスト) ──安倍晋三元首相を銃撃して逮捕されるまで、山上徹也がどんな人生を歩んできたのか、教えてください。 鈴木エイト氏(以下、エイト):彼は大阪府東大阪市で生まれました。4歳の時に父親が自殺し、奈良市内の母親の実家に引っ越