パキスタン、イラン、アフガニスタンにまたがるバロチスタン地方で、イランとパキスタンによるミサイルなどを用いた越境攻撃が相次ぎ、にわかに緊張が高まっている。攻撃では、分離独立などを求めて襲撃を繰り返してきた複数の武装勢力の拠点が目標だったとされる。 イランは16日、バロチスタン地方のパキスタン側である南西部バロチスタン州をミサイルやドローン(無人機)で攻撃。パキスタンは18日、イラン側の南東部シスタンバルチェスタン州に空からの攻撃を加え、応酬した。両国とも、この地方の相手国側に潜んでいる「テロリスト」集団を狙ったとしている。 イランは、パキスタン側への越境攻撃の目標はイスラム教スンニ派の武装勢力ジャイシュ・アルアドル(JAA)だったと説明している。米国家情報長官室(DNI)の「カウンターテロリズム・ガイド(テロ対策の手引き)」によれば、JAAは「バルチ(バロチ)人の文化、経済、政治的権利をイ