笑顔を振りまく自民党総裁、谷垣禎一の両脇に現職椎名一保と新人猪口邦子が並んだ。27日夕、千葉・柏駅東口の街頭演説会。「競い合って党の支持基盤を拡大してほしい。2人は今、過酷な要求で苦しい選挙をしている」。谷垣がこう紹介すると、2人の表情は一瞬こわばり、最後まで握手どころか視線も合わせなかった。 昨年の衆院選で野党に転落し、今回の参院選も「守りの選挙」に徹する自民。5人区の東京以外で唯一、2人の公認候補を立てたのが千葉選挙区(改選数3)だ。 記者が猪口に「同じ党での争いだが」と問うと、「私は新しい支持者を開拓するしかない」とつぶやくように答えた。一方、椎名を支える千葉県議は「2人当選が難しいのは分かっている。猪口さんを蹴(け)落としても、勝ち上がるのは当たり前だ」と言い放った。