判決を前に、思いを語る遺族の小沢克則さん(左)と妻の樹里さん=14日午前10時40分、さいたま市のさいたま地裁、遠藤啓生撮影 泥酔した運転者の車が計9人を死傷させた交通事故で、危険運転致死傷の幇助(ほうじょ)の罪に問われた同乗者2人に対する裁判員裁判の判決が14日、さいたま地裁であり、田村真裁判長は大島巧被告(48)、関口淳一被告(46)の2人にそれぞれ懲役2年の実刑判決(ともに求刑懲役8年)を言い渡した。 さいたま地検によると、同罪に問われた飲酒運転の同乗者の裁判員裁判は全国初だった。飲酒運転を許さない機運が高まるなか、同乗者に対する判断が注目されていた。 判決は、両被告が酒酔い運転を了解したことで危険運転を助長した、と認定した。 事故は、2008年2月17日夜、埼玉県熊谷市内で、玉川清受刑者(35)=危険運転致死傷罪で懲役16年が確定=の乗用車が時速100〜120キロで走り、中
吉本興業所属のタレント島田紳助さん(54)に殴られてけがをしたなどとして、同社に勤めていた女性が島田さんらに計約1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が21日、東京地裁であり、松田典浩裁判官は島田さんと同社に計約1045万円の賠償を命じた。 判決によると、島田さんは2004年10月、女性に「口の利き方が悪い。上司を呼び捨てにするな」などとどなって暴力を振るい、けがをさせた。また、同社も島田さんに対する使用者として責任を負うとした。 この事件で、島田さんは同年12月に傷害罪で略式起訴され、罰金30万円の略式命令を受け、全額納付した。 吉本興業は「判決を厳粛に受け止め、同様の事件を再発させないように引き続き防止策に努めていく」としている。
東京地裁内には六つの検察審査会が置かれている。審査員に選ばれたときは7割近くが消極的だが、半年の任期を終えると96%が「良かった」と答えたアンケート結果もある=東京・霞が関東京地裁内にある検察審査会が審査する部屋。審査員に選ばれたときは7割近くが消極的だが、半年の任期を終えると96%が「良かった」と答えたアンケート結果もある=東京・霞が関 小沢一郎・前民主党幹事長の不起訴処分をめぐり検察とは異なる市民の判断を示した検察審査会。審査は非公開のため、どのような議論があったかは不明だ。審査会が注目を集める中で、同党を揺るがした鳩山由紀夫前首相の偽装献金事件の審査経験がある元検察審査員らが取材に応じ、法で定められた守秘義務に触れない範囲で様子を証言。ベールに包まれた実態の一端が明らかになった。 会社や居酒屋の経営者に、主婦、ネット関係や病院で仕事をする人。島から通った人や、転勤で都外に住んでい
結婚している夫婦に生まれた子と比べて、結婚していない男女間の子ども(婚外子=非嫡出子〈ひちゃくしゅつし〉)の遺産相続の取り分を「半分」と定めた民法の規定が、法の下の平等を定めた憲法に違反するかが争われた裁判で、最高裁第三小法廷(那須弘平裁判長)は、審理を大法廷(裁判長・竹崎博允長官)に回付することを決めた。7日付。 大法廷は最高裁判例の変更や、法律そのものが憲法に違反するかどうかの判断をする場合などに回付される。婚外子の相続差別規定について、最高裁は1995年に「合憲」とする大法廷の決定を出し、その後、小法廷でも結論としては同様の判断が続いていたが、少数意見で違憲性を指摘する裁判官も絶えなかった。大法廷回付により、15年前の判例が見直される可能性が出てきた。
ホステスの源泉徴収税額を巡り、必要経費を考慮した基礎控除額の算定方法が争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(田原睦夫裁判長)は2日、報酬計算期間の全日数分を控除できるとの初判断を示した。そのうえで「実際の出勤日数分しか控除できない」とした国税当局勝訴の1、2審判決を破棄し、改めて税額を計算させるため東京高裁に審理を差し戻した。 税法でホステスは個人事業者に当たり、経営者が源泉徴収する場合の税額算定に際しては便宜上、1日当たり一律5000円を控除できると所得税法で規定されている。東京都杉並区や武蔵野市などで飲食店を営む原告は、半月単位で報酬をホステスに支払い、非出勤日も含めその期間全日数分を源泉徴収で控除。だが国税側は出勤日数分の控除しか認めず追徴課税したため、経営者側が処分取り消しを求め提訴した。 1、2審判決は「出勤日のみ必要経費が発生すると考えるのが自然で、その方が実際の必要経
群馬県高崎市で2009年7月、就寝中の妻(当時60歳)を暴行して死なせたとして、傷害致死罪に問われた同市柴崎町、無職斉藤高業(たかなり)被告(62)の裁判員裁判の判決が12日、前橋地裁であった。 倉沢千巌裁判長は「飲酒して帰宅した際、妻が起きなかったことに腹を立てた動機は、自己中心的」として、法定刑の下限に当たる懲役3年(求刑・懲役5年)を言い渡した。 量刑が争点となり、弁護側は、斉藤被告が末期がんを患い、余命は長くて2年と宣告されていることを明らかにし、「社会の中で命を終わらせてほしい」と、執行猶予付き判決を求めた。判決は「余命で刑の重さを変えることは公平でない」とした。 判決後の記者会見で裁判員を務めた男性は、斉藤被告の余命をめぐり、「考慮すべきかどうか議論があったが、罪を犯したことに関係ない。皆で話し合った結果で、(判決に)納得している」と述べた。別の裁判員経験者の男性は「(検察、弁
東京地裁に強盗致傷の罪で起訴された男性被告(43)の弁護人が、1日までに「裁判員制度は憲法に反する」として、裁判員裁判ではなく、裁判官による裁判を行うよう地裁に申し立てた。 申立書によると、裁判員裁判を開く場合にあらかじめ実施する公判前整理手続きが非公開であることや、審理が連日行われるために被告・弁護人に十分な公判準備をさせないことが、憲法の保障する裁判の公開や適正手続きに反する、としている。 また、裁判員制度そのものについても「国民に裁判参加を義務づけることは、幸福追求権や思想・良心の自由を定めた憲法に違反する」と主張している。 裁判員法には、裁判員や親族に危害が加えられるおそれがあり、安全を確保することが困難な場合は、裁判官が裁判員裁判の対象から除外できる規定があり、検察側や弁護側は適用を求められる。ただ、対象事件であるにもかかわらず、「自分は裁判員による裁判を受けたくない」「裁
先週の東京地裁での第1号事件では、過去の量刑の傾向を表す「量刑相場」より重めの判決が出たが、第2号事件では弁護人の主張がある程度受け入れられた。 3〜6日に東京地裁で行われた裁判員裁判では、近隣トラブルから女性を刺殺し、殺人罪に問われた被告に懲役15年(求刑・懲役16年)が言い渡された。判決は被害者の落ち度を強調した弁護側の主張を認めず、ベテラン裁判官が「突発的な殺人事件では10年強を中心に考える」と話すように、従来の相場よりも厳しい結果だったといえる。 一方、さいたま地裁では殺人未遂罪に問われた被告に、検察側が懲役6年を求刑、判決は懲役4年6月だった。判決は被害者が犯行のきっかけを作った面があることや、被告の自首など、弁護側が強調した「被告に有利な事情」に目配りしており、別の刑事裁判官は、「この事件をプロの裁判官だけでやれば、懲役5年を下回ることはなかったのでは」との見方を示した。 裁判
東京地裁で3日から6日まで開かれた「全国第1号」の裁判員裁判で裁判員を務めた元会社役員の男性(61)が8日、東京都内で改めて記者会見に応じた。刑の重さを考えることの難しさや、判決を言い渡す「重み」について振り返った。 男性は補充裁判員として1日目から審理に臨み、3日目に風邪で参加できなくなった「裁判員3番」の女性と交代して「7番」となった。裁判員経験者には他の裁判員や裁判官と話し合った評議の内容を明かしてはならない守秘義務があり、男性は違反しない範囲で「感想」を語った。 市民が刑を決める責任の重さは、判決から2日がたっても「頭から離れず、すっきりしない」という。 審理の対象となったのは、隣人の女性をサバイバルナイフで刺殺して殺人罪で起訴された無職の男性被告(72)。評議の末に決まった懲役15年の判決を裁判長が言い渡す瞬間、法壇から被告をじっと見たという。「青ざめた印象の被告を目の当た
音楽チャートの統計手法をめぐる雑誌記事のコメントで名誉を傷つけられたとして、音楽市場調査会社「オリコン」(東京都港区)が、コメントをしたフリージャーナリストの烏賀陽(うがや)弘道さん(46)に賠償を求めた訴訟は3日、オリコン側が請求を放棄して東京高裁(奥田隆文裁判長)で和解が成立した。一審・東京地裁は烏賀陽さんに100万円の賠償を命じたが、実質的な逆転勝訴で裁判が終了した。 訴訟の対象となっていたのは、月刊誌「サイゾー」の06年4月号に掲載された「ジャニーズは超VIP待遇!?事務所とオリコンの蜜月関係」など。サイゾーも控訴審から利害関係人として訴訟に参加した。烏賀陽さんと代理人によると、和解では、サイゾーがコメントは不正確で了解を得ないまま掲載したことを認めたうえで、烏賀陽さんに賠償として500万円を支払い、オリコンに対しても「読者に誤解を与えたこと」を謝罪することが決まったという。
日本教職員組合(日教組)が、昨年2月に予定していた「教育研究全国集会」(教研集会)の会場使用契約を一方的に解約して使用を拒否されたとして、「プリンスホテル」(東京都豊島区)に損害賠償などを求めた訴訟で、東京地裁は28日、日教組側の請求をすべて認め約2億9千万円の支払いと謝罪広告の掲載を命じる判決を言い渡した。 日教組は07年3〜10月、ホテルの宴会場の使用や、集会に参加する組合員らが宿泊する190室の宿泊契約を結んだ。しかし、ホテル側は同年11月、「右翼の街宣活動などで近隣に迷惑がかかる」として解約を主張し使用を拒否。日教組側が会場使用の仮処分を求め、東京高裁は使用予定日の2日前にホテル側の抗告を棄却する決定をした。それでもホテルは拒否を続けたため、51年に始まった教研集会で初めて、全体集会が中止される事態となった。
山口県光市で99年に起きた母子殺害事件をめぐり、橋下徹弁護士(現大阪府知事)のテレビでの発言で名誉を傷つけられたうえ、大量の懲戒請求を受けて業務を妨害されたとして、被告の元少年(28)の弁護人だった弁護士4人が計1200万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が2日午後、広島高裁であった。広田聡裁判長は橋下氏に計800万円の支払いを命じた一審・広島地裁判決を変更し、1人あたり90万円、計360万円の支払いを橋下氏に命じる判決を言い渡した。 判決は「テレビという媒体を利用し、虚偽の事実を交えて視聴者に懲戒請求への参加を求めた」とし、原告らが心身両面での負担を迫られた不法行為を認めたが、名誉棄損は認定しなかった。 昨年10月の一審判決によると、橋下氏は知事になる前の07年5月27日に全国で放送された読売テレビ(大阪)の番組に出演。被告の元少年が同月に広島高裁で始まった差し戻し控訴審で殺意や強
家賃を滞納した借り主が強引に退去を迫られる「追い出し屋」被害で、大阪市城東区の男性が玄関ドアの鍵を2回交換され、居住権を侵害されたとして、貸主側に慰謝料など140万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が22日、大阪簡裁であった。篠田隆夫裁判官は鍵交換を不法行為と認定し、約65万円の支払いを命じた。 支援団体「全国追い出し屋対策会議」(代表幹事・増田尚弁護士)によると、追い出し行為の代表例とされる鍵交換について賠償責任を認めた司法判断は初めて。篠田裁判官は判決理由で「法律無視の鍵交換は居住権を侵害する違法な行為として厳しく非難すべきだ」と貸主側を批判した。 原告は派遣社員の男性(37)。被告は不動産賃貸会社「木村産業」(大阪市北区)。 判決によると、男性は昨年2月、賃料約4万3千円の賃貸住宅に入居。まもなく収入が減り、家賃を滞納した。支払いが3週間余り遅れた8月と10月に鍵を取り換えられ、計
母方の叔父と内縁関係…近親婚でも年金認める 母方の叔父と内縁関係だった兵庫県明石市の女性(69)が、近親婚を禁じる民法の規定を根拠に遺族厚生年金の支給を認めなかった国の処分の取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁は30日、請求通り受給資格を認めた。 杉原則彦裁判長は(1)結婚式を挙げるなど地域社会に受け入れられ、夫婦生活も円満だった(2)女性の母と叔父は父親が異なる(3)叔父と女性が育った石川県の一部地域には当時、叔父(伯父)とめいが結婚するケースもあった―などの事情を指摘。「反倫理性や反公共性が低く、受給を認めても『近親婚』を助長せず、婚姻法秩序を乱す原因にならない」とし、不支給処分を取り消した。 近親婚の年金受給については、最高裁が2007年、「農業後継者の確保のため親族間で結婚が行われていたという地域性や時代的背景の下で内縁関係になった」など「特別の事情」がある場合は認められるとの初
「何が大事か、分かる年齢でしょう」。仙台高裁で13日あった自動車運転過失致死傷事件の控訴審判決公判で、遅刻して出廷した被告の女(70)=山形市=を裁判長が厳しく諭す一幕があった。 女は午後1時10分の判決言い渡し時刻を過ぎても法廷に姿を見せず、検察官は「自分の刑事裁判の判決に遅れるとは不届き千万だ」と憤慨。到着後に遅刻の理由を釈明させるよう、志田洋裁判長に求めた。 約10分遅れて出廷した女に志田裁判長は控訴棄却を言い渡し、一審山形地裁と同様、禁固10月の実刑とした。その後、遅刻の理由を尋ねられた女は「昼食場所が込んでいて…」と弁解した。 志田裁判長は「二審でも刑務所に行く判決が出るかもしれないのに、食事とどちらが大事なのか」と一喝。「被害者への賠償も済んでいない。常識をわきまえた対応をしてほしい」とたしなめ、女は平謝りだった。 判決によると、女は昨年7月13日午後、山形市の国道13
TBSは7日、米ABCテレビが夏に放送した番組「Wipeout」が、TBSが著作権を持つ番組「風雲!たけし城」「SASUKE」「KUNOICHI」と酷似しているとして、番組の差し止めと損害賠償を求め、米カリフォルニア連邦地裁に提訴した。 TBSによると、「風雲!たけし城」や同番組のコンセプトを同局から購入して作られた番組は、アメリカなど約50カ国で、「SASUKE」など2番組は同国で放送されている。「Wipeout」は、6~9月に放送され、ABCの今年最大のヒットとなった。一般視聴者が屋外でアトラクションに挑戦するなどの番組の基本構造やナレーション、撮影方法などが、TBSの番組に似ているという。TBSは「当社のみならず、テレビ番組という貴重な財産を守る観点から、裁判所の判断を仰ぐのが最善と判断した」としている。
山口県光市の母子殺害事件を巡り、橋下徹弁護士が大阪府知事に就任前、テレビ番組で被告の弁護士への懲戒請求を視聴者に呼びかけた発言に対し広島地裁が名誉棄損を認め、橋下氏に賠償を命じた。 判決は「弁護士は少数派の基本的人権を保護すべき使命も有する。多数から批判されたことをもって、懲戒されることがあってはならない」と指摘した。 橋下氏の発言が弁護士への大量の懲戒請求を誘い、その業務を妨害、精神的苦痛を与えたと認定したのは妥当な判断といえる。 橋下氏は昨年5月、民放の番組に出演し、事件の差し戻し控訴審で、1、2審とは一転して殺意や強姦(ごうかん)目的を否認した被告の弁護活動を批判した。そのうえで、「弁護団に対して、もし許せないって思うんだったら一斉に弁護士会に懲戒請求をかけてもらいたい」などと発言した。 懲戒請求は、弁護士の違法行為や品位を損なう非行について、一般市民でも弁護士会に処分を求めることが
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