NYSEとユーロネクストの合併計画が与える影響 ニューヨーク証券取引所を運営するNYSEグループと、欧州の取引所連合ユーロネクスト、この世界的に有力な二つの証券取引所が今年(2006年)6月に合併に関して合意し、そのための計画書を米国証券取引委員会に提出した。この話を「アメリカとヨーロッパでの出来事だ」などと、他人事に考えていてはいけない。実は日本の東京証券取引所(東証)にも大きな影響を与える事件なのである。 わたしは、東証(あるいは金融庁)が「この仲間に入りたい」という願望を持っていると考えている。それはどこから推察できるのか。最近、金融庁の五味長官がNYSEのトップ陣に会っている。また東証幹部の動きを見れば分かる。東証は今、新しいシステムを開発するベンダーを選定している最中である。12月には最終的なベンダーを決める予定であるが、現在のところ残っている6社のうち実質的な候補は2社に