本記事は2019年に日本国内で劇場公開・配信された広義の「百合映画」の中から、筆者独自の視点で設けた各賞の受賞作を発表しています。 この「百合映画」の定義が非常に難しいのですが、これはもう考えるだけきりがないので「私が百合だと認識したら百合」という極めて間口の広い解釈でやっていきます。 バキバキ屈折巨大感情賞 『よこがお』/監督:深田晃司 『淵に立つ』で高い評価を得た深田晃司監督の最新作。 筒井真理子氏演じる訪問看護師の市子は訪問先の娘が何者かに誘拐され、その犯人が捕まったことから残酷な運命に巻き込まれてしまい、その運命に復讐するため別人へと生まれ変わり、ある計画を遂行していきます。 ある人物が起こした誘拐事件をきっかけにして、次第に理不尽かつ絶望的な状況へと追い詰められていく市子。そんな彼女の運命の鍵を握り、物語に大きな影響を持つ百合キャラクターが市川実和子氏演じる基子。 市子の訪問先に