タカノ洋品店転じて、世田谷区尾山台の「タタタハウス」が “やっていること、変えてきたこと”。LIFULL HOME'S PRESSは、住宅の最新トレンドや専門家による正しい住宅情報を発信していきます【LIFULL HOME'S PRESS/ライフルホームズプレス】

2023年11月13日、豊島区池袋で「高齢者に安心して住宅を貸し続けるために知っておきたい最新情報」と題したセミナーが開催された。主催は豊島区居住支援協議会。それだけならよくあるセミナーである。 だが、このセミナーにはこれまでの同種セミナーと大きく違う点があった。それは高齢者と住まいに関わるさまざまな立場の人達、そのうちでもポイントになるのは不動産と福祉というこれまで遠い関係だった人達が一堂に会し、意見交換を行ったということ。おそらく、日本でも初めてに近いような取り組みだったのではないかと思われる。 関係者が一堂に会した、なんだ、そんなことかと思われる方もいらっしゃるだろう。 だが、不動産と福祉は公共、民間、いずれの部門でもこれまであまり交流、接点がなかった。高齢者の部屋探しでは主に不動産分野の人達が居住支援法人を作るなどして取り組んできているが、それだけでは貸す側の不安は取り除けない。
「ほこみち」とは国土交通省が2020年に制定した歩行者利便増進道路制度の愛称。 これまでの道路は車両が主役だったが、それを通行に支障のない範囲で活用していくことで賑わいのある道路空間を構築しようというもの。この制度を利用すれば幅の広い歩道にオープンカフェを開いたり、ベンチを置くことができるなど、道路を通行以外の目的で使うことができるようになるのである。 制度開始から3年、すでに全国の44市区町、119路線で活用されており、道は使い方次第で地域のコミュニケーションや賑わいその他に寄与するものと認識されるようになってきているようだ。3回目となるほこみちインスパイアフォーラム2023はそうした道の使い方の事例を全国に紹介、併せてこれからの道の使い方を考える場である。 以下、どのような事例が紹介されたかなどイベントの様子を紹介していこう。
「淡路島西海岸」をご存じだろうか。「淡路島西海岸」とは、兵庫県淡路島の西海岸沿いのエリアのことだ。自然体験型のアニメパーク「ニジゲンノモリ」や「HELLO KITTY SHOW BOX」、淡路島産の旬の食材を楽しめる滞在型レストラン「Auberge フレンチの森」や劇場とレストランが併設された「青海波」など、島を旅するために必要な“遊・食・文化”を提供する全14施設(※1)が点在している。淡路島は、兵庫県の南部にある瀬戸内海で最大の島。本州とは明石海峡大橋で、四国とは大鳴門橋で結ばれておりアクセスの利便性が高い。 これらは地方創生の一貫として、パソナグループが中心となって進めている。アニメや地産地消の料理など魅力のあるコンテンツで、家族連れから日本に興味のある海外旅行客まで、さまざまな客層を呼び込み、淡路島へ観光の道を生み出そうとするものだ。近年大手飲食店グループも淡路島への出店も続いてお
JR中央線国立駅から放射線状に延びる街路のひとつ、富士見通りを歩くこと20分以上。角にガラス張りの小さな店舗が見えてくる。小さいながらも目立つ店舗でここ5年ほどは空き家だったものの、誰もが空いていることを気にしている場所だったと2023年春に開業したみんなのコンビニの発起人の一人である建築家でJUNPEI NOUSAKU ARTCHITECTS代表の能作淳平さん。能作さんは市内の富士見台団地でシェア商店『富士見台トンネル』を運営してもいる。 「空き家になる前には仙人のような人が整体をやっており、その前はライブハウス、それ以前には現在、高円寺にあるコクテイル書房(古書店と飲食店を融合させた人気の店)が初めて店を出したところと聞いています。ちょっと変わった店という点がどれも共通していますね」 店のサイズは7坪(23.1m2)とコンパクトだが、通りに面して尖がった形が印象的と借りたい人が多い物件
取材の日、多摩武蔵野スリバチ学会会長・真貝康之氏と待ち合わせたのはJR中央線国分寺駅改札。多摩武蔵野スリバチ学会は、スリバチ状の窪地を観察・記録する東京スリバチ学会の分科会。多摩と武蔵野地域を中心にフィールドワークなどの活動をしている。多摩武蔵野スリバチ学会は、23区に近いところでは吉祥寺・井の頭から青梅、高尾と広範なエリアを対象にしているが、駅に近く、多摩武蔵野らしい地形を楽しめるという理由で国分寺を巡ることになったのである。 「武蔵野台地は形成時期の古い順に下末吉面、武蔵野面、立川面、青柳面、拝島面があり、さらに小規模な段丘面もあります。そのうち、下末吉面は都心に多く見られるもので、多摩武蔵野スリバチ学会が対象としている武蔵野台地では、それよりも形成された時代が若い武蔵野面、立川面が中心になります。 下末吉面は樹枝状の谷や窪地、いわゆるスリバチが中心ですが、武蔵野面、立川面でよく見かけ
「空き家問題」は全国どこでも身近になりつつある。総務省の調査によると、2018年時点での全国の空き家数は846万戸、空き家率は13.6%と過去最高を記録している。空き家数・空き家率ともに右肩上がりを続けており、空き家率が低い一都三県でも10軒に1軒は空き家となっている。(※1) 今後ますます空き家は増えていくことが予想されるが、その活用にはさまざまな課題が存在する。その一つが、所有者にのしかかる改修費用の負担だ。維持管理だけでも大変なのに、改修には数十万円、数百万円、場合によってはそれ以上の費用がかかることもある。やむなく放置される空き家が多いのが現状であろう。 そんな空き家の課題を解決する一助となりそうなのが、株式会社ジェクトワンが手がける空き家活用サービス「アキサポ」(以下、アキサポ)だ。広報の竹内麻実さんにアキサポの仕組みと事例を伺った。 「アキサポの特徴は、空き家所有者様の自己負担
人口減、少子高齢化などによって日本の空き家、空き地は増え続けている。空き家の総数は、2018年までの30年間で394万戸から849万戸と約2.15倍に増加。このうち賃貸や売却などの利用予定がない、いわゆる「その他空き家」が131万戸から349万戸と約2.66倍も増えている。空き家のなかでも、放置されている物件が特に増加しているのだ。 また、空き家が立つ土地も含む空き地の数の上昇も問題となっている。全国の個人・法人が保有する土地の総面積は189万ヘクタール。このなかで空き地となっているのは23.4万ヘクタール(約12.4%)で東京都の面積(約22万ヘクタール)よりも広い。しかもそのうち7.9万ヘクタール、つまり全保有地の約4.2%は低未利用土地となっている。 低未利用土地とは、周辺の同一用途の土地と比べて利用の程度が著しく低い、またはまったく利用されていない土地のことである。たとえば一時的に
2021年10月、国土交通省が「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を公表した。これは不動産取引の心理的瑕疵(いわゆる、一般的に事故物件と呼ばれるものを含む)の取り扱いについて、初めて一定の見解・基準を示したものだ。 過去死亡事案が発生した物件については、その事実が買主・借主にとっては契約締結の判断に重大な影響を及ぼす可能性があることから、売主・貸主は告知する必要があるとされてきたが、その“線引き”が明確でないために不動産会社によって対応が異なり、訴訟に至るケースも少なくなかった。裁判は個別具体の事案で告知の必要性を判断するため、心理的瑕疵物件についての“一定の基準”が必要といわれ続け、ようやくガイドラインが策定・公表されたというわけだ。 なお、ガイドラインでは専ら不動産会社が宅建業法上負うべき義務の解釈を中心に記載されている。 ガイドラインで認識すべき重要ポイントは3
2020年10月、臨時国会の所信表明演説で菅義偉首相(当時)は「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言した。 「排出を全体としてゼロ」にするとは、CO2などの温室効果ガスの排出量から、森林などによる吸収量を差し引いた合計をゼロにするという意味だ。2050年というと今から約30年後、目標を達成するには多くの時間がかかるということだが、実際にどのようなロードマップをたどれば達成することができるのだろうか。 温室効果ガスというと石油や石炭を燃やすことで発生するCO2がイメージされるが、メタンガスが15%程度、N2O(一酸化二窒素)とフロンガスなども8%程度ある。特にN2Oはオゾン層の破壊物質で残存期間(寿命)も121年と極めて長く、このまま放置すれば2050年までに倍増するともいわれている。これらの温室効果ガスが
東京都国立市がシティプロモーションのために印刷物を作った。それだけならよくある話だが、面白いのは無償の冊子ではなく、書店でも販売できるISBNの付いた新書として作ったということ。しかも、1冊で終わるのではなく、今後シリーズとして定期的に発刊していくという。 これまでに聞いたことのないやり方で世に出た「国立新書」だが、企画がスタートしたのは発刊の約1年前のこと。 「4年前に就任した読書好きの副市長の発案で国立を深く紹介するための書籍を作ろうという計画が持ち上がりました。これまで市が作っていた市民向けの便利手帳は公共施設の使い方や制度の利用法など実用的な内容ばかりで、紹介しきれていない事業が多数あります。また、これまでは事業、施策の背景にある歴史や理念、目指す未来などを紹介する場が全くありませんでした。それを伝える書籍を作ることで市民はもちろん、それ以外にも国立市を広く知っていただくことでシテ
井の頭(いのかしら)の名は、江戸時代、徳川家光が鷹狩りにこの地を訪れた際、湧水がほとばしるように出ているのを見て命名したものだという。「井」は水の出るところという意味であり、井の頭池は神田川の源流であるから、まさに井の頭の名にふさわしいといえる。 井の頭公園は花見の季節などを中心に一大行楽地として人気であるが、江戸時代からすでに行楽地として親しまれてきた。公園は吉祥寺駅から近いから武蔵野市かと誤解されるが、公園自体は東京都のもの、池の西や北は武蔵野市、南や東が三鷹市である。 井の頭池の南西部には井の頭弁財天があり、そこに至る参道が南に延びているが、弁財天から10mほど急な階段を上らないといけない。階段を上ったあたりが三鷹市井の頭4丁目。最寄り駅は井の頭線井の頭公園駅であり、駅の周辺は井の頭3丁目、2丁目になる。井の頭1丁目は一駅先の三鷹台駅の東側である。このように井の頭という町名は井の頭池
東京都板橋区仲宿は、江戸時代には板橋宿の中心地だったところ。そんな宿場町の歴史を刻む「板橋宿仲宿商店街」の一角に、風情ある佇まいの古民家がある。2019年12月にオープンしたおむすびカフェ兼交流スペースの「板五米店」だ。多くのメディアに紹介され、話題を呼んでいる。おむすびや和テイストのスイーツを提供するカフェとしての顔とともに、地域住民の交流の場としての機能をもつ。 以前は「板五米店」という米店だった。2階建ての土蔵造りの建物は1914(大正3)年築。関東大震災や第2次世界大戦の戦火をくぐりぬけ、宿場町の町家の面影を残す建物として、板橋区の登録有形文化財になっている。特徴は、建物の左右両側の側面にレンガの壁が配され、洋風の意匠を取り入れていること。このレンガの壁の高さは2階の軒下まであり、火災が起きたときに延焼を防ぐ役割がある袖卯建になっている点も興味深い。さらには、レンガの壁が倒れてしま
今を遡ること7年半前、西武新宿線新井薬師前駅のすぐ近くに同じ人が所有する2棟の建物が並んで立っていた。1棟は木造2階建ての風呂無しアパートで築年数は60数年といったところだろうか、建物はかなり傷んでおり、改修には多額の費用を要する。入居を希望する人も減っていたことから、改修を考える所有者から相談を受けた株式会社スピークの宮部浩幸氏は「事業としては難しいと思う」という答えを返した。高額な改修費を投じたとしても、木造アパートで設定できる家賃では回収に無理があると判断したのだ。 それからしばらく間が空き、今から4年ほど前に、宮部氏に同じ建物に関する相談が入った。隣にあるRC造の、やはり賃貸物件物件の4階建て、6戸のマンション「パブリック・ハイツ」の2棟をセットにして再生を考えることはできないかというのである。 こちらは築50年ほど。もともとは所有者の自宅として一戸建てが建っており、その後、庭に木
「スモールノジッケン」は2020年9月吉祥寺にオープンした、小さな店舗群、シェアキッチン、カフェ、ファブルームなどが混在する100坪(約330m2)のスペース。プロジェクトの発起人は、吉祥寺の名所であるハモニカ横丁を再生した株式会社ビデオインフォメーションセンターの代表・手塚一郎氏だ。 今では人気のスポットであるハモニカ横丁にも高齢化が進み、空き店舗が出始めていた時期があった。そこに1990年代後半以降、飲食店を次々に開店して横丁を変えてきた手塚氏は、吉祥寺の家賃高騰に危機感を覚えていた。ハモニカ横丁の場合、1坪、2坪(1坪は3.3m2。以下同)の店舗が10万円、20万円、あるいはそれ以上の賃料ということもある。これでは個人店はやっていけないし、若い人たちが挑戦するのも無理。どうにかして打破できないか。その思いに賛同し、プロジェクトマネージャーに手を挙げたのは、同じく吉祥寺を拠点とする株式
日本の住宅の新築着工戸数は減り続けている。がしかし、売買される不動産物件全体の中では、依然として新築住宅の割合は高い。欧米諸国における既存住宅流通シェアは7割~9割程度といわれるなか、日本の全住宅流通量(既存住宅流通+新築着工)に占める既存住宅のシェアは14.7%(平成25年国土交通省政策レビュー資料より)にとどまる。 国土交通省では、増え続ける空き家問題の解決へ向けて、中古住宅の流通促進を目的としてさまざまな施策を打ち出している。一方、不動産売買の現場では、多くの消費者が購入にあたって住宅ローンを利用するが、中古物件のなかには、いわゆる担保評価の面で住宅ローンを組むことができない、つまりローンが利用できない物件も存在する。住宅ローンが利用できないことが、中古物件を流通しにくくしているという面も、当然考えられる。 もちろん住宅ローンが利用できない問題は、物件に係る問題だけではない。デフレ経
2021年4月「所有者不明土地法」関連法が成立した。この法律は、相続人が土地や建物の相続を知った日から3年以内(実際に相続が発生した日ではないことに注意)に、不動産登記することを義務付けるものだ。土地および建物の所有権を明確にする今回の制度変更で、土地と建物の活用を促進するための基礎がようやく整ったことになる。 2018年6月には所有者不明土地を公共のために利用可能にする目的で「所有者不明土地法」が成立、翌年施行された。しかしこの法律は、所有者不明の土地の定義や活用方法について示したものであり、制度趣旨に沿って所有者を特定するための登記を義務付けるには、今回の関連法成立を待つ必要があった。所有権は民法上極めて強い権利で、排他的に主張することができるものである。その所有者が不明だから、もしくは公共目的だからといって権限を制限するような行為は、法律の制定をもってしても極めてハードルが高かったた
東京スリバチ学会会長の皆川典久氏が東京都心部の窪地≒スリバチを意識するようになったのは就職して上京し、ヒマな休日にまちを歩いていた時である。「自分にとっては東京とは近代的なビルが建ち並ぶ都会的なイメージでしたが、そういった風景は実は丘の上の一面。坂を下りてみると、そこにそれまで知らなかった、もうひとつの東京があった。山の手の下町がいたるところに潜んでいたのです。その丘の上とは全く違う風景と空気感に興味を抱きました」。 江戸時代、住む場所は身分と土地の高低の掛け合わせで決まっていた。高台には大名屋敷や寺社があり、低地には町人が住み、農地が作られたのである。東京ではその時代に作られた区画が今も残り、使われている。高台の大きな区画は大学や官公庁、総合病院などに替わり、再開発でタワーが建った場所もある。一方の低地は区画が小さいため、なかなか開発が進まず、一部にはいまだに昭和の面影を残すまち並み(震
東京・下北沢「ボーナストラック」で開かれたイベント『NO BIG DEAL!! DIYのある暮らし』(2021年6月6日開催)のトークセッションレポート。2回目の今回は、『これからのクリエイティブな賃貸経営 空き家のDIY賃貸とまちづくりが大家業のスタンダードになる時代』と題した、ディスカッションの様子をお伝えする。 前回記事はこちら ボーナストラックでDIYイベントが開催。実践者がDIY初心者に伝えたいその魅力と、まちづくりの可能性 空き家のDIY賃貸とは、長い間、住み手がいなくて放置されていた物件に、「内装は自由にDIY可能」という付加価値を付けた賃貸だ。国土交通省も2016年に『DIY型賃貸借に関する契約書式例』と、活用のためのガイドブック『DIY型賃貸借のすすめ』を作成し、空き家対策のひとつに位置付けている。入居者は、費用は自己負担ながらも好きなように内装を改修できるだけではなく、
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