「早ければ年内には、敷地内に溜まった20万tを処理する」 4月27日、東京電力は、福島第一原子力発電所内の高濃度汚染水の処理目標をこう発表した。それから7ヵ月---。汚染水の現状はこの発表とは程遠いものだ。いまだにタービン建屋地下には汚染水が溜まり続け、その量は11月中旬の時点で8万tにも上っているのだ。 原発事故以降、福島第一原発には原子炉を冷却するために大量の水が注入されてきた。1~3号機では一日500tもの水が注入され、そのほとんどが高濃度汚染水として漏れ出て、タービン建屋の地下などに大量に溜まった。そのままタービン建屋地下で汚染水が増え続ければ、外に溢れ出る危険がある。そこで東電は、アメリカ「キュリオン社」製とフランス「アレバ社」製の浄化処理施設を導入。6月から汚染水の浄化処理が始まった。 「まず汚染水の油分を分解した後、汚染水を『キュリオン社』製のセシウム吸着塔に通して『ゼオライ