かつては欧州に友好的だったプーチン露大統領が強硬派に転じたのは、元KGBの3人のエリート幹部に大きな影響を受けたからだという。米紙「ニューヨーク・タイムズ」のモスクワ支局長が、知られざるクレムリンの内部事情を暴く。 「西側諸国は人間と動物の結婚を合法化している」 「ウクライナ指導部は、アドルフ・ヒトラー並みの悪人ぞろい」 「ウクライナの民族主義者は人間以下の存在だ」 これらはいずれも、ロシアのプーチン大統領の側近たちの発言だ。プーチンがウクライナに侵攻するか否かを決断するときには、治安当局トップである彼らもその場に居合わせるだろう。 昨年、ロシアメディアが報道した側近たちの発言からわかるのは、彼らが政権に強い影響力を持ち(ほとんどがプーチンと同じ、旧ソ連時代の1950年代生まれ)、大統領を超える反動主義的な思想の信奉者だということだ。ロシアが国内外で“敵”とみなす相手との対決姿勢をますます