記事:じんぶん堂企画室 早尾貴紀さん。東京経済大学の研究室で 書籍情報はこちら ――本書のキーワードは書名にもある「ディアスポラ」(民族集団の国境を越えた離散、離散した民)だと思います。なぜディアスポラなのでしょうか。 東西冷戦の終焉とグローバリゼーションの進展で、国境を越える移住者が増え、また、各地で地域紛争が起き、多くの難民が生み出されています。同時に、それに対する排外主義として、多くの国で自国第一主義が高まっています。この本はこうした世界を「ディアスポラ」の視点から見直そうという試みです。 『希望のディアスポラ 移民・難民をめぐる政治史』(早尾貴紀著、春秋社) ディアスポラという概念を使う理由は二つあります。一つは移民と難民は明確に線引きできないことが多い。移民は経済目的で自発的だといっても、故郷で困窮し、生きるためやむを得ず国境を越えることの方が多いと思います。難民も単に放逐された
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