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ブックマーク / book.asahi.com (10)

  • イスラエルはどうしてあんなにひどいことができるの? 早尾貴紀——後編|じんぶん堂

    記事:平凡社 パレスチナ・イスラエル問題に関するオンラインセミナー「パレスチナ連続講座」に登壇する東京経済大学教授の早尾貴紀さん 書籍情報はこちら 《前編はこちらから》 ホロコーストを経験したユダヤ人とイスラエル 「ホロコーストを経験したユダヤ人が、どうしてジェノサイドをする側になるのか」という質問をよく受けます。そのことについて、2023年に日でも公開された『6月0日 アイヒマンが処刑された日』という映画を例にお話しします。ナチスの戦犯アドルフ・アイヒマンは1960年に逮捕され、62年にイスラエルで処刑されました。映画ではその死体を焼却する炉を作る過程が描かれます。映画に登場する鉄工所の社長、作業員、臨時に雇われた少年工は、それぞれ、「イスラエル国民」を構成する3階層のユダヤ人グループに属しています。 1つめのグループは、イスラエルの建国運動を中心的に担った人たちです。ヨーロッパ出身で

    イスラエルはどうしてあんなにひどいことができるの? 早尾貴紀——後編|じんぶん堂
  • イスラエルはどうしてあんなにひどいことができるの? 早尾貴紀——前編|じんぶん堂

    記事:平凡社 パレスチナ・イスラエル問題に関するオンラインセミナー「パレスチナ連続講座」に登壇する東京経済大学教授の早尾貴紀さん 書籍情報はこちら ヨーロッパ植民地主義を反復するイスラエル イスラエルは1948年の建国の際に、およそ500のパレスチナの村や町を破壊し、住んでいた人々は難民となって周辺の地域に逃れました。とりわけガザ地区は住民の70%以上が難民という状況が生じました。 1967年から軍事占領されたガザ地区では、抵抗運動とそれに対する弾圧、空爆や侵攻も繰り返されてきました。2000年代からは陸海空の封鎖が強化され、ガザ地区は外部との出入りがほぼできない「巨大監獄」のような状態に置かれています。2023年10月7日の武装蜂起は、このような軍事占領に対する最終的な一斉蜂起、最後の抵抗でした。 それを受けてイスラエルは大規模な空爆、侵攻、虐殺を始めました。抵抗運動を組織してきたハマー

    イスラエルはどうしてあんなにひどいことができるの? 早尾貴紀——前編|じんぶん堂
  • 「日本は移民や植民地の歴史を忘れている」 ディアスポラの視点で世界を再考 早尾貴紀さんに聞く|じんぶん堂

    記事:じんぶん堂企画室 早尾貴紀さん。東京経済大学の研究室で 書籍情報はこちら ――書のキーワードは書名にもある「ディアスポラ」(民族集団の国境を越えた離散、離散した民)だと思います。なぜディアスポラなのでしょうか。 東西冷戦の終焉とグローバリゼーションの進展で、国境を越える移住者が増え、また、各地で地域紛争が起き、多くの難民が生み出されています。同時に、それに対する排外主義として、多くの国で自国第一主義が高まっています。このはこうした世界を「ディアスポラ」の視点から見直そうという試みです。 『希望のディアスポラ 移民・難民をめぐる政治史』(早尾貴紀著、春秋社) ディアスポラという概念を使う理由は二つあります。一つは移民と難民は明確に線引きできないことが多い。移民は経済目的で自発的だといっても、故郷で困窮し、生きるためやむを得ず国境を越えることの方が多いと思います。難民も単に放逐された

    「日本は移民や植民地の歴史を忘れている」 ディアスポラの視点で世界を再考 早尾貴紀さんに聞く|じんぶん堂
  • 「神憑り軍人」たちは何を信じたか 藤巻一保さん「戦争とオカルティズム」インタビュー|好書好日

    藤巻一保さん=撮影・北原千恵美 藤巻一保(ふじまき・かずほ)作家・宗教研究家 1952年、北海道生まれ。中央大学文学部卒。編集者を経て著述活動に入る。東洋の神秘思想、近代新宗教に関する著作を数多く手がけている。主な著書に『密教仏神印明・象徴大全』『役小角読』『秘説 陰陽道』『愛と呪法の博物誌』『偽史の帝国 “天皇の日”はいかにして創られたか』など。 異常な時代の正体を明らかにしたかった ――藤巻さんの『戦争とオカルティズム 現人神天皇と神憑り軍人』は、陰謀論や超古代史などのオカルトに魅了された旧日軍の軍人たちを通して、日を〈聖戦〉へと導いたイデオロギーに迫った異色の戦争裏面史です。執筆のきっかけを教えてください。 若い頃から秘教的な世界に興味があって、長年その分野のを書いたり編集したりしてきましたが、一方で日は神の国であるという信仰に支えられた明治から昭和までの日についてもず

    「神憑り軍人」たちは何を信じたか 藤巻一保さん「戦争とオカルティズム」インタビュー|好書好日
  • 読者が変えたベストセラー――『日本国紀』元版と文庫版を検証すると(後編)|じんぶん堂

    記事:幻戯書房 『もう一つ上の日史』と『日国紀』単行・文庫版 書籍情報はこちら 前回の続きです。 「前編」の最後で、私は、『もう一つ上の日史』に対する『[新版]日国紀』の反応を数え上げ、次のように書きました。 採用:300箇所以上 無視:100箇所以上 反論:50箇所以上 (……)(「採用」のカウントについては)助言の他、データの誤りの訂正、込み入ったニュアンスの反映、「〜である」という断言から「〜という説もある」といったトーンダウン、デマエピソードの完全削除、などを含んでいます。 今回はまず、「採用」の具体例をいくつか紹介しましょう。引用文による比較が続くので、記事として平板な印象を与えるかもしれませんが、よーく読んでいただければ、その影響がおわかりになると思います。 実際、どのように「修正」されているのか? さて、「助言」は前回挙げたので、「データの誤りの訂正」から。(以下、

    読者が変えたベストセラー――『日本国紀』元版と文庫版を検証すると(後編)|じんぶん堂
    custardtarte
    custardtarte 2022/01/18
    こんな本を愛読していた人間が、憲政史上最長の首班をつとめていたのが現実なのよね。
  • 『治安維持法の「現場」』書評 司法の各段階で解明 全体像へ|好書好日

    『治安維持法の「現場」』 [著]荻野富士夫 法律は時として、法の名の下で人権蹂躙(じゅうりん)を国家に許す。敗戦まで20年に及ぶ治安維持法の歴史は、その最たるもの。「国体」変革を目指す動きに関係ありと官憲が見なせば、強引な理屈で断罪された。当初の目的である共産党の弾圧を超えて、戦時中には教育・宗教の小集団や学生の読書会さえ標的になった。 暴力の凄(すさ)まじさは、小林多喜二を虐殺した特高警察の拷問に象徴される。だがそれも、この法の運用のあくまで一部分だ。そこで研究の第一人者が、植民地への適用を含めた全体像を5冊で書き下ろすという。 その初巻で、なぜ「現場」か。書は検挙・取調(とりしらべ)・起訴・予審・公判・行刑という司法「処理」の全段階をたどり、関わった各々の役割や、濫用(らんよう)が昂(こう)じる過程を解き明かす。晦渋(かいじゅう)な司法文書の山から、システムを動かした者、翻弄(ほんろ

    『治安維持法の「現場」』書評 司法の各段階で解明 全体像へ|好書好日
  • 「産業革命は黒人奴隷たちの血と汗の結晶である」 歴史学の常識を覆した研究者とは 川北稔さんが解説|じんぶん堂

    記事:筑摩書房 iStock.com/vivalapenler 書籍情報はこちら 「周辺」から世界の歴史を見る 植民地など、「周辺」とされる地域から世界の歴史をみようとする立場は、いわゆる世界システム論をはじめとして、いまではそれほど珍しくはない。そうした見方は、学問的にも市民権を得ているといえる。しかし、ほんの半世紀まえには、そうした立場は、まともな学問とはみられないものでもあった。先頭を切って、この困難な局面を切り開いたひとりが、書の著者エリック・ウィリアムズである。 トリニダード・トバゴの郵便局員の息子として生まれたウィリアムズは、秀才の誉れ高く、周りの期待を背負って、宗主国イギリスのオックスフォード大学に送りこまれた。古典学を専攻した彼は、抜群の成績で卒業したものの、当時のイギリスには─―というより、日をふくむ世界には─―、西洋文明の根源にかかわる古典学、つまりギリシア語やラテ

    「産業革命は黒人奴隷たちの血と汗の結晶である」 歴史学の常識を覆した研究者とは 川北稔さんが解説|じんぶん堂
  • GHQが「洗脳」?実態は 賀茂道子さん、保守論壇「自虐史観植え付けた」説を史料で探る|好書好日

    「ウォー・ギルト・(インフォメーション・)プログラム」という言葉が保守論壇で流行している。第2次世界大戦後の占領軍の計画で、日人は洗脳され、自虐史観に塗り替えられたというのだ。その全体像を膨大な史料から探った著作が公刊された。当に日人は洗脳されたのか。研究の結果から著者は「洗脳されたとは思えない」という。 「体系的な施策ではなかった」 著作は『ウォー・ギルト・プログラム――GHQ情報教育政策の実像』(法政大学出版局)。著者は賀茂道子・名城大学非常勤講師(日政治外交史)だ。 この言葉は、文芸評論家の故・江藤淳氏が1989年の『閉(とざ)された言語空間』(現在は文春文庫)で紹介した。GHQ(連合国軍総司令部)の文書から見つけた江藤氏は、「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」と表記した。現在の保守論壇はWGIPと略す。 ◇ 代表的な施策が二つあったとされる。GHQの一部門CI

    GHQが「洗脳」?実態は 賀茂道子さん、保守論壇「自虐史観植え付けた」説を史料で探る|好書好日
  • 「戦後日本公害史論」書評 下からつくられた日本の環境政策|好書好日

    戦後日公害史論 [著]宮憲一 公害研究の第一人者の手による決定版がついに出版された。今後、書を繙(ひもと)くことなしに公害を語ることはできなくなるだろう。冒頭で著者は、高度経済成長を成し遂げた日人の成果とまったく同様に、公害克服に努力した日人の成果が高く評価されるべきだと述べる。まったく同感だ。書はたしかに戦後公害史だが、何よりもそれは、私たち戦後社会の軌跡そのものである。 それにしても凄(すさ)まじい被害だ。書の筆致はあくまでも冷静だが、自殺者が出るほど理不尽な被害を受忍させられた人々の苦しみと悔しさは、筆舌に尽くし難かったに違いない。水俣病など四大公害にしても、原因企業は因果関係を真っ向から否定、被害者は救済されるどころか差別され、地域で孤立したという。今では想像できないこうした雰囲気の中で、妨害に打ち勝って裁判を起こすことは、並大抵のことではなかった。 被害者が期待した

    「戦後日本公害史論」書評 下からつくられた日本の環境政策|好書好日
  • 本の記事 : 外村大「朝鮮人強制連行」が示す今に続く差別 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    「『国益』を語る意見にも意味はあるでしょうが、『人間としての共感』を大切にする視点も必要だと思います」と話す外村大さん 植民地、そして戦争――歴史をめぐる対立が東アジアでまた熱を帯びている。先鋭的な政治問題となったテーマに、歴史学は有意義に“介入”できるのか。日近現代史研究者の外村大(とのむらまさる)・東京大学准教授(46)が今春発表した『朝鮮人強制連行』(岩波新書)は、一つの可能性を示している。 1939~45年に帝国日の政策として進められた、朝鮮民衆に対する労務動員。戦争遂行のための施策で、動員された人の多くは内地日の炭鉱に送られた。「強制性は無かった」という主張が一部にある中、外村は書名に「強制連行」を掲げた。 「研究者の基に立ち返ろうと、約6年かけて関連史料を一から読み直してみました。結論として、政策全体として見て強制性があったのは明らかだった」 執筆のきっかけは、編集者か

    本の記事 : 外村大「朝鮮人強制連行」が示す今に続く差別 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
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