20年余り前、産業廃棄物処分場の建設計画に揺れる岐阜県の小さな町で、町長が何者かに襲われ、瀕死の重傷を負った。これをきっかけに実施された住民投票で示されたのは、「建設反対」の意思。そして計画は撤回に追い込まれたが、事件は未解決のまま時効となった。あのとき住民たちは、なにを学んだのか。新しい時代を迎えたいま、改めて現地を歩いた。(取材・文=今西憲之、鈴木毅/Yahoo!ニュース 特集編集部) 木曽川をせき止めるダムをまわり込み、谷の斜面にある一本道を進むと、すすけた木造の集会所が見えてきた。崩れかけたアスファルトの道の端では雑草が生え、脇に点在する廃屋にはツタが張っている。見渡す限りの緑。時折、どこからかウグイスの鳴き声が聞こえてくる。 ここには、かつて10戸程度の小集落と、小規模ながらも美しい棚田があったが、いまはほとんどが転居し人けはない。この地は、1990年代に「東洋一の規模」とうたう
![「あの世に行く前に真実を知りたい」――「産廃」と町長襲撃に揺れた町のいま - Yahoo!ニュース](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/cb4312c46eab3aa4da2dfd925402fd7f345a0fa1/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnews-pctr.c.yimg.jp%2Fr%2Fiwiz-tpc%2Fimages%2Fstory%2F2019%2F8%2F6%2F1565073964_1565073938_YOK_4672-x828-y552.jpg)