東京を襲った米軍の爆撃機B29に、日本軍機が体当たりし、撃墜したことを伝える毎日新聞(1945年1月10日朝刊)。本土も戦場だった。 1945年夏の敗戦まで、日本の近現代史は戦争にまみれていた。1894~95年の日清戦争。1904~05年の日露戦争。14~18年の第一次世界大戦。18~22年のシベリア出兵。37年に始まった日中戦争。この間には「満州事変」など、多数の局地戦もあった。そして41年。大日本帝国の為政者たちは、アメリカ相手に勝てるはずのない戦争を始めた。 国内も戦場だった 同じ戦争でも、日中戦争までのそれと41年に始まった戦争には大きな違いがあった。前者には「銃後」があり、後者にはそれがなかった、ということだ。 「銃後」は銃弾や爆弾が交錯する最前線との対比で使われた表現だ。日露戦争にしろ、日中戦争にしろ、日本列島がそうした戦場になることはなかった。ところが第二次世界大戦では、アメ