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ブックマーク / readingcw.blogspot.com (2)

  • 秦郁彦『慰安婦と戦場の性』読書会報告

    2015年3月31日に当会が開催した、秦郁彦『慰安婦と戦場の性』についての読書会では、宋連玉氏(朝鮮近現代史, ジェンダー史研究)による報告に続いて参加者による意見交換が行われた。主な意見や議論を主題別に紹介する(以下、敬称略)。 1. 日の「慰安婦」制度と「国家」の関わり 安倍首相が3月27日の『ワシントン・ポスト』紙で、「慰安婦」制度について「人身売買」という表現を使った直後でもあり、また前回の読書会で扱った朴裕河『帝国の慰安婦』でもテーマになった「業者」の問題が書でも課題となることから、この日の議論でも、日の「慰安婦」制度における軍及び業者との関係、および「慰安婦」制度と公娼制との関係についての議論が行われた。 書での著者の主張は、「慰安婦」制度というのは、国家が許可し、業者がやっている、そして国家がやっていることは常に正しい、というものである。だが、そもそも公娼制度も、警察

  • 『帝国の慰安婦』における「性奴隷」概念について

    稿では『帝国の慰安婦』における「性奴隷」概念をめぐる議論の多岐にわたる問題点をとりあげることにする。いうまでもなく、日軍「慰安所」制度が「性奴隷制」であったという被害者支援団体、研究者、および国際社会の評価こそ日の右派がもっとも否認しようとしているものの一つであり、この点に関する『帝国の慰安婦』の議論を検討することは同書が日の言論空間でもつ意味を問うことにもつながる。 1. 「性奴隷」概念の誤解・曲解 まず驚かされるのは、日軍「慰安所」制度を論じるうえで重要な意味をもつことになる「奴隷」の定義(「自由と権利を奪われ他人の所有の客体となる者」)をなんと韓国語版ウィキペディアから引用していることである(143ページ)。大学生がレポート課題においてウィキペディアに依拠することすら多くの大学教員によって問題視されているというのに、研究者が執筆し、「クォリティ・ペーパー」と目される新聞社の

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