共通前提の崩壊の問題と不快な他者の侵入の問題との間には密接な関係があるように思える*1。つまり、他者が、たとえ善意からだとしても、何か介入的な行為をしたときに、そうした行為をひとつの越権行為、自分を害するために行なわれた攻撃的な行為と見なす、ということがありうるだろう。例えば、『らき☆すた』の第1話で、チョココロネの食べ方に対して、みゆきがこなたに行なったような介入は、場合によっては、不快な他者の侵入として感じられることだろう(「うざい」などという言葉が示しているのは、まさに、このような他者の不快な侵入のことだろう)。 ここにおいて、つまりは、許されている行為と許されていない行為との区別があるわけだ。しかしながら、その境界線がまったくはっきりしないということ、そうした境界線が常に流動的であるということをこれまで述べてきたわけである。 不快な他者の侵入の最もよい例は喫煙である。喫煙についてし