パリ市内の「レスト・ザンク」で、日替わりの創作料理をカウンター越しに出す高橋さん(左)。客はフランス人ばかり パリのフランス料理界で日本人の若手料理人たちが旋風を巻き起こしている。 日本人がスターシェフを目指した1960年代以降の動きと違い、ビストロやワインバーなど大衆的な店の厨房(ちゅうぼう)に続々と浸透中。その大半を占める30歳代の職人たちは、和食のエスプリ(心)を仏料理に注ぐ文化使節の役割も担っている。 (パリ 林路郎、写真も) バスチーユ広場から東へ徒歩で約10分。日本人とあまり縁のない一角に、地元客が集まるワインバー「レスト・ザンク」がある。 その厨房を、仙台市出身の高橋礼継(まさつぐ)さん(33)が一人で仕切る。ニンニク、赤ワイン、子牛のブイヨンを煮詰めたソースに乳飲み子豚の蒸し煮とネクタリンを合わせた創作料理が「今日のお薦め」だ。 「毎晩メニューは替えるし、50食は調理します