私事になりますが、大学の非常勤講師の仕事を、この3月で辞めることになりました。 「非常勤」ですから、極端な話、毎年もう次の年がなくても契約上はおかしくはなかったのでしょうが、14年間やってきました。自分の人生の中でも、何分の一かの割合を占めます。 それを辞める事になった大きな理由として、何年か前から、一年通した授業が出来なくなったということがあります。「半期」と呼ばれる半年間の授業になってしまったのです。 半期になったのは、年度の途中で学校に行かなくなり、「どうせ単位も取れないし」と中退する学生が多いので、それを防止するために、半年後には新しい授業で再起出来る機会を与えたいというのが一つの理由だと、大学側から説明されました。 もう一つ、海外からの留学生を受け入れる関係上、9月始まりにした方が都合がよく、いわば「国際基準」に合わせてのことであるとも説明されました。 しかし半期となると、後述す
さすがに大都市だけあって、ロンドンには書店がたくさんある。 今日はいつもと違うルートで大学図書館に向かって歩いていると、大きな書店に出くわした。さっそくなかに入り、ぼくの専門分野の本が置かれている階まで上がる。最上階の人気のあまりないエリアだが、それでも専門図書だけで幅広の本棚が3、4本はある。関連分野まで広げれば、その数はずっと増える。 アルファベットを読みやすいように顔を横に傾けながら、面白そうな本を探す。最新のテーマでもう何冊も本が出ていることに驚き、著名な研究者がまた新刊を出したことにまた驚く。「アナタ、また本出したんですか」という感じだ。 とにかく本というものは次から次へと現れる。正直、3年ぐらい新刊を出すのを止めてみませんかという気分になることもある。これじゃ、いつまで経っても読み終わらないじゃないか。 というわけで、ぼくはいつものように本棚に圧倒される。 ぼくがまだ大学生のこ
結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki 「学ぶ」という行為に対して、人はいろんなことを思います。結城は毎日のように「『数学ガール』読みました!数学ってこんなにおもしろかったんですね!」とか「『数学ガール』を通して学ぶことの楽しさを知りました。数学は不得意ですが」とかいうメールをもらいます。 結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki それはもう誇張ではなく、ほとんど毎日のように「『数学ガール』を通して数学を学ぶことの楽しさを知りました」という読者さんのメッセージを受け取ります。 結城浩 / Hiroshi Yuki @hyuki そして結城は「これは、いったい何だろう」といつも思うことになります。特に「数学ガール」シリーズがおもしろいというわけではないのです(いや、ごめん、うそです。とてもおもしろいです)。それよりも「数学」という学問そのものがおもしろいのだと思います(
勉強が楽しいとき親が褒めては逆効果 東大生は親から「勉強しなさい」とあまり言われないそうです。理由は簡単で、親に言われなくても勉強していたり、効率よく勉強し成績をあげている子が多いからでしょう。 しかし、彼らが親に強いられなくても勉強を続けることができたのはなぜでしょうか。 やる気を起こさせる基本的な方法論として、「褒める」と「叱る」があります。「勉強しなさい」というのも「叱る」部類に入ると思いますが、「褒める」と「叱る」では、どちらが有効でしょうか。 マウスに迷路を学習させる有名な実験があります。「ゴールに餌を置いておく(=褒める)」、「道筋を間違えたら電気ショックを与える(=叱る)」、「正しければ餌、間違えたら罰を与える(=褒めたり、叱ったり)」という3つのパターンで実験を行うと、効率よく学習できるのは、「ゴールに餌を置いておく」だけなのです。 「餌と罰の両方」もダメで、罰が待っている
1.はじめに 私はちきりん氏という人物に全く興味がありません。せいぜい、「安っぽい人生訓を勿体ぶって切り売りしているだけの三文自己啓発屋」という程度の理解しかしていません。 そのちきりん氏がブログで科学教育について何やら語っていました。 下から7割の人のための理科&算数教育(Chikirinの日記) これを読んで大いに呆れたので、批判してみたいと思います。 2.子供の可能性を狭めるな ちきりん氏は自身の経験に基づき以下のように理科教育を語っています。 あたしに理科とか数学とか教えるの、ほんとーに時間の無駄! 義務教育である、小学校、中学校、それに事実上の義務教育である高校をあわせた 12年間の理科教育のうち、私に必要だったのは小学校レベルの理科だけであって、中学・高校で、化学、物理、生物、地学などを学ぶ必要は全くなかったと思います。 算数に関しても、中学校1年までに学んだことで十分で、中学
イギリス・デヴォン州の静かな町で日本語を教える、クリスピン・チェンバーズ氏が、優れた教育者に贈られるピアソン賞の中等学校教育部門において、2013年の「ティーチャー・オブ・ザ・イヤー」に輝いた。日本語教育を通じ、子供たちに自信と可能性を与えるチェンバーズ氏の功績が、高く評価されている。 イギリスのローカル紙、プリマス・ヘラルド紙は、チェンバーズ氏を「日本語と日本文化への情熱で、生徒の生き方をも変える素晴らしい教師」と賞の審査員が評価したことを伝えている。 【チェンバー先生って何者?】 ガーディアン紙は、チェンバーズ氏にインタビューをし、彼の経歴を紹介している。 チェンバーズ氏は、現在トラヴィストック・カレッジ(イギリス式の中高一貫校)の日本語課主任であり、大学卒業後、英語教師として日本の淡路島に赴任した。 「20万人の日本人と僕だけがいた」という淡路島で、彼は日本語を学んだ。来日後、「シン
「教えること」にあまり経験のない人が、他人に何かを教えなければならないときに、最も陥りやすい罠は、「詰め込み」「バラバラ」「一方向」の3つです。 仕事柄、僕は、企業の研修・ワークショップを人よりも多く参与観察しておりますし、また、大学院生に教えることを教えるプログラム「東京大学フューチャーファカルティプログラム」にかかわってもいます。 これまでたくさんの授業事例(症状!?)を見てきましたが、「教えることのノービス」がついつい陥りやすい症状としては、この3つといっても、過言ではありません。 現在3月年度末、数日たてば、新年度。日本各所では、新人研修・新学期の授業がはじまるということもあり、今日は、自戒をこめて、このお話をしたいと思います。 ▼ 陥りやすい罠のひとつめ、「詰め込み」とは、そのものズバリです。やたらと学習内容が多すぎる。 たとえば、1時間しか時間がないのに、パワーポイントが100
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く