大阪・船場にある大阪市立開平小学校(同市中央区)で31日、明治初期に地元の豪商・山片家から寄贈された和書や蘭書など約6000冊の「愛日(あいじつ)文庫」に風を通す曝書(ばくしょ)(虫干し)が行われた。年に1度の恒例行事だが、今年は初めて、同小の6年生18人が土曜授業で参加。〈子どもたちに良い書物を読ませたい〉という先人の思いを受け継ぎ、地域が守ってきた美しく貴重な古書に、児童らは歓声を上げた。 同文庫は1872年(明治5年)、船場地区に小学校(後の愛日小学校)を開設するため、山片家8代当主重明が自らの邸宅とともに同家が代々、収集してきた古書を寄贈したのが始まり。開校後も蔵書を増やし、昭和30年代頃からは、卒業生らで作る「愛日教育会」が毎年、曝書をしている。 貴重な書物も多く、山片家が仙台藩から拝領した写本「環海異聞(かんかいいぶん)」には、仙台の船乗りが漂流し、ロシアなどで見聞した風景が鮮