特集陳列「断簡―掛軸になった絵巻」で展示されている作品の様々なドラマをご紹介しているブログの第3回目。今回は「絵巻が断簡になるとき」と題して、巻子だった絵巻が、どういった理由で掛軸の断簡となったのかを、今回展示している紫式部日記絵巻断簡をめぐるドラマティックなエピソードとともにご紹介したいと思います。 さて、絵巻が断簡になるのはいくつかの理由が考えられるのですが、大きく分けて二つの理由が考えられます。一つは不可抗力により絵巻が断簡となった例。もう一つが人為的に断簡となった例です。 一つ目に関しては、経年による糊離れなどによってバラバラとなってしまい、一紙あるいは数紙分を断簡に仕立てた例。第1回目のブログ「断簡―掛軸になった絵巻―(1)再会する絵巻」でご紹介した男衾三郎絵巻や、今回展示している住吉物語絵巻とその断簡も、おそらくこの理由から断簡となったと思われます。戦災により分かれてしまった狭