オーバーヘッド型スキャナを搭載し、本を裁断しなくてもスキャンできる「ScanSnap SV600」が発売されてから、約1カ月が経過した。筆者はこの間、SV600と、従来型のドキュメントスキャナ「ScanSnap iX500」を併用していたのだが、スキャナが2台あっても使い分けに困るということはなかった。 SV600とiX500の2台のスキャナは特徴がはっきり分かれており、それぞれに得意な原稿があるからだ。そのため、原稿の種類によって自然に使い分けるようになっていった。今回は、SV600とiX500の個性に注目し、各スキャナの得意分野にスポットライトを当てたい。ScanSnapの購入を検討しているが自分の用途にはどちらが合っているのか決めかねている、という人の一助になれば幸いだ。 本のデジタル化に便利なのは? ScanSnapを購入しようとするとき、最初に挙げられる目的が「本のデジタル化」で
著作権が切れ、誰でも中身を公開できる本なのに、国立国会図書館が、出版社の抗議を受けて、インターネット上での無料公開を一時中止した。図書館には国民の知へのアクセスを助けるという役割もあるのに、法的な裏付けのない抗議に応じたのはなぜか。 問題になったのは、仏教の経典を集めた全88巻の『大正新脩大蔵経』。編者の高楠順次郎氏の死後50年が過ぎ、1995年末に著作権は消滅。国会図書館は全ページをスキャンする電子化を進め、2007年に37巻分、今年2月に残りの51巻分をネット公開した。 同書の紙の本は大蔵(だいぞう)出版が刊行したものが、今も販売されている。全巻セットだと約156万円。同社は「無料公開されたことで年間1千万円以上の売り上げが3分の1程度に減った」として、6月、中小出版社でつくる団体・日本出版者協議会と共に、国会図書館に公開中止を申し入れた。 同館は公開を一時中止し約3カ月後に最終判断す
2013年8月7日付けのブラウン大学図書館のニュースサイトに、ブラウン大学の学生が、米国国立公文書館(NARA)、ブラジル国立公文書館と協力して進める“Opening the Archives”プロジェクトについて紹介する記事が掲載されています。 記事によると、このプロジェクトは、1960年代-80年代の米国とブラジルの関係に関するNARA所蔵文書を、オンラインでアクセス可能にすることを目指したもので、学生が文書をデジタル化し、組織化し、同図書館のBrown Digital Repositoryでアクセス可能とすることに取組んでいるとのことです。参加する学生は、ブラウン大学図書館の職員から組織化やデジタル化についての研修を受けるとのことです。 Brown University, National Archives and Records Administration, and Nation
2013年08月09日00:20 カテゴリ博物館研究のタネ 学術図書著作権の公的機関への譲渡のススメ 時おり、出版業界の人と話す機会がある。そうした時には古典的な総説本や古い図鑑の再販をリクエストをすることも多い。他分野の方からすれば日進月歩な学術世界において、2ー30年も前に出された古い図鑑なんて、今更役に立つのかと思われるかもしれない。しかし、現実には種の認識、特徴の記載という点において、不朽の名作ともいえる図鑑はたくさんある。見事な線画だったり、簡潔な記載だったり。学術書の中にも鋭い着眼点であったり、今だから検証し得る仮説であったり、旧いものを温めて学べるものは数多い。 旧い学術書はけして懐古主義でなく、旧世代から若手へバトンタッチすべき着想ノートでもあるのだ。 しかし、書籍には限りがある。人気図鑑・書籍であれば再版され、そうでない場合には絶版になり、古本屋、図書室でしか読めなくなる
米国バージニア大学図書館が、同館の所蔵する公民権運動の時代のテレビニュースと原稿のアーカイブをデジタル化公開しました。 これは、2007年に地元バージニア州のWSLS-TVが、1951年から1971年までのニュースフィルムと原稿を同館に寄贈したことに始まるもので、2010年に全米人文科学基金から保存とデジタル化のための助成金を得て、これまで作業が続けられてきました。 WSLS-TV (Roanoke, VA) News Film Collection, 1951 to 1971 http://search.lib.virginia.edu/catalog/uva-lib:2214294 U.Va. Library Launches Online Archive of Historical TV News Footage (UVA Today 2013/8/2付けの記事) http://ne
日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点の若手研究者助成制度 「日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点」(立命館大学)では、国際的に評価される優秀な若手研究者を養成することを目的として、本拠点の研究メンバーとして研究活動を行う専門研究員、研究員、およびアート・リサーチセンター運営委員会に認められたその他の若手研究者に対して、重点的に支援を行っています。 本助成制度もその一つで、以下の2種の助成金があります。 日本文化DH 若手研究者助成金 成果発表のための研究旅費・学会参加費、研究に必要な資料や機材の購入などを対象としたものです。 若手研究者の申請を受けて、運営委員会での審議の後、採否・支給金額を決定します。 日本文化DH 若手研究者海外研究活動助成金 海外での研究活動(調査、成果発表など)に必要となる経費(渡航費、滞在費など)や研究成果のとりまとめ・発表に必要な経費を助成するものです。
【赤田康和】著作権が切れ、誰でも中身を公開できる本なのに、国立国会図書館が、出版社の抗議を受けて、インターネット上での無料公開を一時中止した。図書館には国民の知へのアクセスを助けるという役割もあるのに、法的な裏付けのない抗議に応じたのはなぜか。 問題になったのは、仏教の経典を集めた全88巻の『大正新脩大蔵経』。編者の高楠順次郎氏の死後50年が過ぎ、1995年末に著作権は消滅。国会図書館は全ページをスキャンする電子化を進め、2007年に37巻分、今年2月に残りの51巻分をネット公開した。 同書の紙の本は大蔵(だいぞう)出版が刊行したものが、今も販売されている。全巻セットだと約156万円。同社は「無料公開されたことで年間1千万円以上の売り上げが3分の1程度に減った」として、6月、中小出版社でつくる団体・日本出版者協議会と共に、国会図書館に公開中止を申し入れた。 続きを読むこの記事の続きをお
歴史学者の画像利用傾向とそこから得られる教訓<文献紹介> Harris, Valerie et al. Trends in Image Use by Historians and the Implications for Librarians and Archivists. College & Research Libraries. 2013, 74(3), p. 272-287. 近年,図書館や文書館等の多くの機関が,所蔵資料のデジタル化を通じて様々な資料画像をインターネット上に公開している。だが,それらの画像はどう利用され,どのような影響を与えているのだろうか。ここで紹介するハリスらの論文は,画像の入手環境の劇的な変化が,特に歴史研究者の研究活動にどのような影響を与えたのかを検証したものである。 検証に先立ち本稿では,画像のインターネット公開の歴史を振り返り,議論の前提を確認している。
近年、図書館や博物館などが所蔵する貴重資料の画像を電子化し、ネット上で公開する試みが広く行なわれている。昨夏、収録点数が10万点を超えたという国会図書館が進める「近代デジタルライブラリー」などは、そのいい例だろう。こうしたプロジェクトを進めるのも容易なことではない。大量の資料の撮影には莫大な費用を投じなくてはならず、画像に付加する情報(書誌情報)の整備も必要である。そのため、各機関とも既存の画像データ(マイクロなど)を使ったり、コレクションの特定分野に限った電子化をせざるを得ないのが実情である。現在、早稲田大学図書館が進めている古典籍総合データベース(古典籍DB)プロジェクト(http://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/)は、そうした中で、館蔵のすべての貴重資料を電子化しようという画期的な試みである。 30万点の精細画像をネットで公開 2005年4月から5年
凸版印刷は、紙の文献や資料を、精度99.99%以上かつ短納期で全文テキストデータ化する「文献・資料の高精度全文テキスト化システム」を開発したと発表。7月下旬より、このシステムを用いたサービスの提供を開始する。 同システムは、凸版印刷の文字・テキスト処理技術と、IBM基礎研究所が開発した共同校正技術を組み合わせて作られたもの。印刷された文献や資料を光学文字認識(OCR)でテキストとして読み取り、そのデータの精度を統計処理などにより補完。さらに、共同校正により確認・修正を行ったのち、最後に目的に応じた文字・テキスト処理、各種フォーマットへの変換処理を行う。 このシステムによって、高品質化と作業時間の短縮を両立させることに加え、ルビや傍点、縦中横、和欧混植、割り注など、従来のOCRが苦手としていた複雑な日本語組版にも対応する。難読文字を効率的に確認・修正するためのサポート機能を強化することで、従
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