KDDIは27日、広島県呉市で海上保安庁と協力して船舶に設置した携帯電話基地局の実証実験を始めた。東日本大震災のような災害で既存の陸上基地局が使えなくなった場合に備えて、陸上から3キロメートル離れた臨時の海上基地局を使って通信できるかどうかを調べる。海上基地局が実用化されれば、日本では初めて。2013年度の実用化をめざす。 実験に使用した船舶は海上保安庁の巡視船「くろせ」。海上の基地局は陸上とは違い、潮位の変化や船舶の揺れの影響を受けるため、実験を通じて音声やデータ通信の品質を確保できるかどうかを調べる。大型の基地局を使えば、1基地局当たり最大で半径10~15キロメートルの範囲で通信ができるようになるという。 この日は午前10時に「くろせ」が呉港を出港。実験場所となる倉橋島(呉市)の大迫港に向かった。まずは陸上から1キロメートル離れた海上の基地局やアンテナを使って電波を飛ばし、通信衛星を経