病院というフィールドから (梅田 夕奈)

「え、お前シャーマンに興味があったのか！」 そろそろオペも終わり、閉創をしていたときのことです。オペ中ただひたすら視野を広げるための鉤持ちとして器具の一部と化していた研修医に話題を振ってやろうと思ってくれたのだろう外科の指導医が、「梅田は前は人類学というのをやっていたんだってな。それはどういうことをやるんだ？」と問いかけてきました。真剣に答えるのは結構大変なので、普段は曖昧にごまかすこともある問いなのですが、ほぼ365日一日の休みもなく病院に顔を出し、この間は22時にオペが終わったあと5時からの緊急手術に入っていた外科医を前に、私はかつてなく真剣に応える覚悟を固めました。「私は医療人類学という分野に興味があって人類学をやっていました。人間の『医療のようなもの』全般を研究対象とする分野です。もともと人類にとっての治療全般に興味があって、近代医療のない人たちがどうしているのか、呪術師やシャーマ

[barringtonia]

“医者に「なってみる」ことにした”文化人類学者。世界に対する眼差しの解像度の高さを感じる文章。/ 幸せの質は異なるが量は異ならない、とすると現代医療への移行の不可逆性を説明できないような。

[physician]

うーむむむ

[tsutatsutatsuta]

“それにしても、文化人類学の大学院に行ってから見習い医者になる、我ながらなんでこんな手間のかかる迂回路をとることになったんでしょう。”

[KasugaRei]

高度な専門知を自負する人々がその営為を外部視点で相対化されるのを快く思わない事例は医療に限らずしばしば目にするが、だが専門外からの視点は分野の健全性維持のために不可欠だと信ずる。

[sumidatomohisa]

病院というフィールドから (梅田 夕奈)｜若い研究者によるリレーエッセイ 「私は休止中の文化人類学の研究者であり、同時に現在見習い中の医師でもあります。…医者に「なってみる」ことにしたのです。」