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小保方氏手記を読んで――過剰取材と被害者意識の悪循環
■若干ちぐはぐ 小保方晴子『あの日』(講談社)を読んだ。 先にネット上で公開されていたまえがきを読ん... ■若干ちぐはぐ 小保方晴子『あの日』(講談社)を読んだ。 先にネット上で公開されていたまえがきを読んで「この調子で一冊書いたんだろうか」と訝ったが、本文、特に専門的な記述の部分は前書きとはギャップがあり、硬質な文章になっていた。それでも心情を表す時には柔らかい(軽い)表現もあり、また書き込みの詳細さにムラがあるなど、全体として若干ちぐはぐな印象を受けた。 また、事件の全貌を知りたいという欲求にこたえるものではなかった。核心である数々の、考えられないような論文作成時のミスに関しても細やかな説明がなされていない。あれだけ話題になった実験ノートについても他にきちんとしたノートがあるとのことだが、その画像などは掲載されていない。 ■「被害者」という免罪符 『あの日』で再燃したSTAP騒動については様々な論点があるが、メディアの対応や世論のあり方に絞って考えてみたい。 『あの日』で「取材攻勢は殺意を
2016/02/03 リンク