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クアラルンプールが見せる70年分の東京
2年ほど前、留学先の友人に誘われてマレーシアの首都クアラルンプールを観光したときのこと。 とりあえ... 2年ほど前、留学先の友人に誘われてマレーシアの首都クアラルンプールを観光したときのこと。 とりあえず主要な観光地を回ろうと、観光バスに乗った。私は割と短絡的なので、観光地にやってきたおのぼりさんらしくKLタワーという塔に登ることにした。高さは東京タワーを超える421mで地上276mに展望台がある。壁一面ガラス張りになっていて、クアラルンプールの街並みが360度一望できた。早速望遠鏡を覗き込んだ。その日はよく晴れていて遠くまで見渡すことができたが、関心は眼下に広がるビル街に移る。発展途上といえども近代化著しいマレーシア。首都はさすがに都会なんだなあ、などと考えたのも束の間、強烈な違和感を覚えた。その正体にはすぐに気が付いた。 街並みがおかしいのである。「ビル街」と聞いて想像するのは、ビル同士がところ狭しと立ち並ぶ日本の都市だろう。大抵は、超高層ビルの間は高層ビルで埋められている。無駄のない没