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第25回 世界を駈け巡る「茶」 | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム
大学に移って4年目にして、やっと研究室でお茶を淹れられるようになった。 慌ただしい日々であることに... 大学に移って4年目にして、やっと研究室でお茶を淹れられるようになった。 慌ただしい日々であることに変わりはないが、散らかった研究室でも訪ねにいらして下さる方々が少しずつ増えてきたのと、お土産に東アジア各地のお茶を頂くことが増えたためだ。今話題のメラミンなるものも、これには関わらないだろう。 「茶」が中国で生まれた飲料であることは有名だ。元は「荼」(ト・ダ)という、ニガナなどを指す形声文字が転用されていたものとされる。なお、この字を「荼毘(ダビ)」と用いるのは梵語に音訳しただけのもので、茶とは関連がない。 その「荼」の「余」の部分を「人」の下の「一」を取り除いて「ホ」のように変えて「茶」とすることで、元の字との発音と意味の差を示したと言われている。下部の字体は「ホ」か「木」かなど、どのように書かれるか議論されることもあるが、これはそもそもそのようにして唐代に起こった俗字だという。この造字法は
2008/11/17 リンク