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日本人の「生活の全体」を描く…民俗学者・宮本常一が「霊魂」より「ものや経済」を重視した理由(島村 恭則,畑中 章宏)
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『忘れられた日本人』で知られる民俗学者・宮本常一とは何者だったのか。その民俗学の底流にある「思想... 『忘れられた日本人』で知られる民俗学者・宮本常一とは何者だったのか。その民俗学の底流にある「思想」とは? 柳田国男の「心の民俗学」と宮本常一の「ものの民俗学」という対比から見えてくるものとは? 4刷が決定した『今を生きる思想 宮本常一 歴史は庶民がつくる』著者の畑中章宏氏と『みんなの民俗学――ヴァナキュラーってなんだ?』著者の島村恭則氏が、宮本常一について語り合った。 「心」と「もの」の民俗学 畑中:『遠野物語』などで知られる民俗学者・柳田国男の関心は、霊魂などでした。いわば「心」の民俗学です。日本の民俗学は、そこから始まり、文字で記録されていない常民(普通の人々)の心のありよう――それは歴史学などでは扱われてこなかった――を探っていこうとしました。 『今を生きる思想 宮本常一 歴史は庶民がつくる』の冒頭で、柳田国男の「心」の民俗学と宮本常一の「もの」の民俗学の対比をおこなっています。民俗