検証：中国、領海侵入正当化 海警法施行、緊張高まる尖閣周辺 九州大・益尾知佐子准教授に聞く | 毎日新聞

国際法を逸脱 海警法施行により、中国は何をしようとしているのか。同法に詳しい益尾知佐子九州大准教授に聞いた。 海警法には既存の国際法と相いれない部分が少なくない。代表格が、中国が自国の管轄権が及ぶと主張する「管轄海域」だ。 同法によれば、海警局の主な活動領域は管轄海域とその上空。だが、国際法上のいかなる海域に当たるのかを明確にしていない。中国はこれまで国内で、南シナ海を取り囲む「九段線」の内側などの広大な海域を管轄海域と呼んできた。この海域を自国の領土のようにとらえ、外国の船舶や個人の活動を制限しようとしているのが特徴だ。 海警法は海警局に、管轄海域内で他国の船をほぼ無条件で検査し、臨時警戒区を設けて他国の航行を制限する権限を与えた。他国の軍艦などが中国の法律に違反すれば排除することも認めている。だが、国連海洋法条約は排他的経済水域（ＥＥＺ）等では本来、沿岸国にこうした権限の行使は認めてい