特集ワイド：この国はどこへ これだけは言いたい 「マイナ保険証」に理念なく 元参院議員・平野貞夫さん 87歳 | 毎日新聞

最近の世間の関心事は、マイナンバーカードを巡るゴタゴタだろう。とりわけ評判が悪いのは今の健康保険証を廃止し、機能をカードに組み込む「マイナ保険証」だ。日本で誰もが加入する健康保険制度が誕生したのは1961年。当時から永田町を見続ける元参院議員の平野貞夫さん（87）は、この国の来し方行く末をどう見るのだろう。 強い日差しが照りつける昼下がり、千葉県の自宅を訪ねると、出迎えてくれた平野さんは、いつもの豪放な口調でこう語った。「あんた（記者）から先週、電話をもらった時は、ちょうど小沢さんに会っていたんだ」 参院議員時代や議員引退後も「小沢一郎衆院議員の知恵袋」と呼ばれた老政治家は、今も永田町に足を運んでいるそうだ。「医者に行くのは定期検診の時くらいで、2カ月に1回程度かな」。米寿を迎える今もなお、病院よりも政治の中心地に足が向いているようである。 その政界は、トラブルが相次ぐマイナカード問題で揺