「最善の選択肢は……」 あえて海外から戻ったロシア人の本音 | 毎日新聞

観光名所のボリショイ劇場の前で記念撮影する人々の姿があるなど、ロシアでは表面上は平穏な暮らしが続く＝モスクワで2023年9月14日、大前仁撮影 形の上ではロシアの近隣国アルメニアにある会社に籍を置いたままだが、30代半ばのIT技術者セルゲイさんはロシアに戻って仕事を続けている。「小さくて手はかかるが、（今年に生まれた）息子のことが一番大切だから」とその理由を語った。 ウクライナ侵攻で出国したロシア人の実像に迫る現地ルポ。2回に分けて報告します。 前回：「もう無理」 100万人のロシア市民が出国を決めた理由 ロシア軍が22年2月にウクライナへの攻撃を始めるまで、セルゲイさんは申し分のない人生を送ってきた。数年前にITの大企業から海外での仕事を打診されたが、母親や妹の近くに住んでいたかったから断った。モスクワで勤める企業の給与は欧州の水準と変わらなかったという。 しかし、ウクライナでの戦闘が長